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インタビュー:地方貸出業務見直し、地銀と協力関係=みずほ銀頭取
April 24, 2017 / 3:24 PM / 8 months ago

インタビュー:地方貸出業務見直し、地銀と協力関係=みずほ銀頭取

[東京 25日 ロイター] - みずほフィナンシャルグループ(8411.T)傘下のみずほ銀行頭取に就任した藤原弘治氏は、ロイターとのインタビューで、地方で住宅ローンに代表される貸出業務の見直しを進め、地域金融機関と協力関係を築く方針を示した。

 4月25日、みずほ銀行頭取に就任した藤原弘治氏が、ロイターのインタビューに応じた。写真は都内で19日撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

地方でシンジケートローンや信託、証券などの手数料ビジネスを拡大するために、地方支店が担う機能の再構築も図る。

また、国際金融規制や国内でのマイナス金利政策を踏まえ、バランスシートを拡大させずに、既存の貸出資産をより収益性の高い資産に入れ替えることで利益を確保していくと語った。中小・個人や、大企業、海外などの顧客別に導入したカンパニー制によって、グループ全体での手数料ビジネス強化を進める。

4月1日付で同行トップに立った藤原氏は旧第一勧業銀行出身。主に企画畑を歩み、昨年度から銀行、信託、証券などの各事業会社横断で導入したメガグループ初のカンパニー制の制度設計を手掛けた。

主なやり取りは、以下の通り。

――メガ初のカンパニー制導入。頭取の使命は何か。

「カンパニー制は、あくまで手段であって目的ではない。みずほグループとして顧客のベストパートナーになれるかどうかが重要だ。地政学リスクや国内の少子高齢化など、取引先が抱える課題に対して、もはや銀行の機能だけでは解決できない。銀行や信託、証券に加えて、資産運用、調査やコンサルティングなどグループの幅を広げており、カンパニー制で一体的に束ねた」

「各カンパニー長が戦略を作り、(傘下の銀行頭取や証券社長などの)エンティティ(会社)長が戦略を実行する。ただ、カンパニー長は現場のことを知らずに戦略を作れない。従って、銀行頭取として現場の声や、顧客が求めているものを踏まえて戦略策定に関与する。顧客は、誰が戦略を作っているかなど関係ない。大事なのは、顧客の付加価値の増加につながっているかどうかだ。この道しかないし、正しいと思っている」

――欧米の巨大金融機関のカンパニー制を見てみると、エンティティ長は形だけだ。みずほもそうなるのか。

「中長期的にはそうだと思う。ただ、日米欧の法制度や商慣習は異なる。顧客の見方も違う。当面の間、会社法や銀行法などの建て付けの中で、責任を持って実行に移すのがエンティティだ。顧客や地域の接点を担うのは現場であり、これは相当に重い。自らカンパニー制を設計した時、銀行の論理ではなく、顧客から見たらどうなんだということにこだわってきた。頭取として目指すのは部分最適ではなく、全体最適だ。銀行だけが儲かってもだめだ」

――バランスシート(BS)の規模は、拡大させていく方向か。

「そろそろ適正な規模に近づいていると考えている。大きく減らすことも、大きく増やすことも必要ない。ただ、中身についてはもっと研ぎ澄ませて、筋肉質にする必要がある。バーゼル規制を念頭に置きながら、次の次元のアセット・ライアビリティ・マネジメント(資産・負債総合管理)が重要なテーマとなる。一段と目線を上げていかなければならない」

    「マイナス金利環境下で、BSを使った金利収支で儲けようとは考えてない。資産をBSに残すのではなく資産回転型ビジネスをさらに進める。シンジケート・ローンや、貸出資産の売却、証券化による間接金融から直接金融への切り替えなど、ビジネスを倍にしてもBSは膨らませない手法はたくさんある。海外のセカンダリー・マーケットは肥沃で、懐も深い。17年度は、これまでよりも一段とBSの入れ替えが進むと考えている」

    ――地方の住宅ローンなどの貸出ビジネスはどうするつもりか。

    「われわれが果たすべき役割は、地域金融機関とは別物だと思っている。地域金融機関が主軸に置いている住宅ローンなどの伝統的な貸出業務に、我々が踏み込んでいって競争するつもりはない。地域金融機関とのすみ分け、協力関係というのが1つのキーワードだ。すでにOEM供給のようなかたちで信託商品を地方銀行に提供しているスキームがある。こうした取り組みを広げていきたい」

    「信託機能や証券機能、海外ビジネスを取引先につなぐことなど、メガバンクとして地方においてどのような存在感を発揮するかを考える必要がある。地方空港などのインフラファイナンスなどノウハウが必要な業務は、地方においてもメガが地域金融機関と一緒にリードしてやらないといけない。地方支店も、信託や証券、海外ビジネスに重点を置いた店舗に変わっていく」

    ――M&A(買収・合併)に対する考えは。

    「フィンテック、デジタルテクノロジーの時代に、買収戦略はもう1回再評価すべきだ。従来のように規模の利益や、範囲の利益をリアルの世界で追っていくことが本当に正しい戦略なのかどうか。フィンテックが銀行のビジネスモデルの変革を迫ると言われるが、むしろ、経営者のメンタルモデルの変革が迫られている。これまでと同じ発想で金融ビジネスに向き合っていたらダメだ。メンタルを変えて、非連続的なゴールに向かうことがとても重要になっていると考えている」

    このインタビューは4月19日に実施しました。

    布施太郎 編集:田巻一彦

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