November 20, 2018 / 11:12 PM / a month ago

インタビュー:下期アジア鋼材市況、固めに予想=新日鉄住金副社長

[東京 21日 ロイター] - 新日鉄住金(5401.T)の宮本勝弘副社長はロイターのインタビューで、米中貿易摩擦が中国経済に及ぼす影響に警戒感を示した。不透明感の高まりを受け、下期のアジア鋼材市況を固めに予想、鋼材価格から原材料購入費などを差し引いたマージン(利幅)の改善も保守的に見積もっていることを明らかにした。

 11月16日、新日鉄住金の宮本勝弘副社長はロイターのインタビューで、米中貿易摩擦が中国経済に及ぼす影響に警戒感を示した。不透明感の高まりを受け、下期のアジア鋼材市況を固めに予想、鋼材価格から原材料購入費などを差し引いたマージン(利幅)の改善も保守的に見積もっていることを明らかにした。新日鉄住金本社で2012年11月撮影(2018年 ロイター/Yuriko Nakao/File Photo)

<アジア鋼材市況は固めに>

米トランプ政権は今年3月、輸入する鉄鋼とアルミニウムにそれぞれ25%、10%の追加関税を課した。この影響について宮本副社長は「(米国向けは)出荷の2%にすぎない上、除外措置も徐々にとれつつあり、大きな影響はない」と説明。ただ「中国でいろいろな数字にやや陰りが出ている」と述べ、中国経済への影響に警戒感を示した。

中国政府は景気減速を食い止めるために、インフラ支出の拡大や減税などさまざまな措置を講じている。宮本副社長は「彼らもインフラ投資や金融緩和を使いながらコントロールしているので、極端なことはないと思う」としたが、不透明感を考慮し、下期のアジア鋼材市況を「やや固めにみている」と述べた。

こうした状況を受け、マージンの改善も保守的に見積もった。

宮本副社長は「昨年上期から今年上期はマージンがトンあたり3200円改善したが、昨年度から今年度にかけては2000円に落としている」と説明した上で「国内需給はタイトで価格も上げ基調にあり、海外もかなり上がってきたが、下期についてはやや固めにみている」と語った。

東アジアのホットコイル(熱延広幅帯鋼)市況は、足元ではやや軟調な動きとなっている。

<下期粗鋼生産計画に自信>

同社の7─9月の粗鋼生産量は単独ベースで1021万トン、上期は2050万トンだった。8月時点では上期2130万トンを見込んでいたが、台風・豪雨の影響や設備トラブルなどが足を引っ張った。

上期の状況を受け、11月に下期の予想を2200万トンから2160万トンに下方修正した。

宮本副社長は相次ぐ設備トラブルの原因について、1)ノウハウに長けた熟練作業員の世代交代、2)製品の高性能化による設備への負荷の高まり、3)生産設備の高機能化による操業の難しさ──などを挙げた。

こうした状況を改善するために、社内から専門家を集め「エキスパートチーム」を編成、各製鉄所の指導にあたっているほか、全社統一の設備管理システムも導入、トラブルを未然に防止する取り組みも始めた。この結果、「熱延ではトラブルがかなり減った」という。

設備トラブルは復旧費用がかかるだけでなく、稼働率低下による需要の取りこぼしにもつながる。

宮本副社長は粗鋼生産について「台風などがなければ(7─9月は)1070万トンはできたので、下期は四半期ベースで1080万トンはいけるのではないか」と述べ、下期2160万トンの達成に自信を示した。

2020年までの中期計画で掲げた年間4500万トンの生産目標についても「四半期1100万トンにすれば年間で4400万トン。中期計画の最終年の2020年には4500万トンにもっていく」と目標の達成に意欲を示した。

*インタビューは16日に行いました。

大林優香、志田義寧

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