December 28, 2017 / 8:16 AM / 4 months ago

インタビュー:米の投資銀行業務の強化へ、体制整備急ぐ=永井・野村HDCEO

[東京 28日 ロイター] - 野村ホールディングス(8604.T)の永井浩二グループCEO(最高経営責任者)は、ロイターとのインタビューで、投資銀行業務の市場規模で世界の半分を占める米国で体制強化を急ぐ考えを示した。

 12月28日、野村ホールディングスの永井浩二グループCEO(最高経営責任者)は、ロイターとのインタビューで、投資銀行業務の市場規模で世界の半分を占める米国で体制強化を急ぐ考えを示した。写真は27日撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

一方、中国では、外資系企業に対する規制緩和を見据え、いち早くリテールを含めた総合証券ビジネスを展開できるよう準備を進めていると述べた。

インタビューの詳細は次の通り。

――米国での業務強化についてどのように考えているか。

「米国はグローバルなフィープール(投資銀行業務の市場規模)で世界の半分以上を占めているにもかかわらず、われわれのプラットフォームは強くない。日本、アジア、ヨーロッパでカバーしている強いセクターがあっても、アメリカが繋がらなければ意味がない。できればすぐに強化したい」

「米国でバルジブラケット(大規模投資銀行)と戦おうなんて気はまったくない。日本とアジアに立脚しているという強みを生かし、アメリカを繋いでいく。さらに欧州もあり、欧州と米国も繋ぐ。それでやろうと思っている。案件のサイズも別にエレファントディールを追っかけるつもりはない。時価総額で10億ドルから100億ドルの中規模企業向けの投資銀行業務を手掛けていく」

――買収を通じて強化するのか。

「こだわらない。優秀な人材がいれば雇うし、いいブティック・ハウスがあれば買うが、中途半端なことをやっても仕方ない。今は価格が高く、悩ましいところだ」

――中国という成長市場にどう取り組むか。

「これまでのようにホールセールだけの業務展開だけでなく、リテール業務までできてはじめて腰を据えたビジネスプラットフォームになる。その準備をしてきている。これまではマイノリティー出資しかできず、しかもライセンスが制限されたが、今年の中国共産党大会ではフルライセンスについて、外資系にもマジョリティー出資を認めるとなった。このまま門戸が開放されるか分からないが、門の最前列に並んでいるつもりだ」

「ただし本当のビジネスになるのは、まだだいぶ時間がかかると思う。早ければ5年、10年ぐらいで何とかPLも黒字に持っていければいい。米国とはタイムスパンが違う」

――ボラティリティーの低下が続き、債券などのセカンダリー・トレーディングが振るわない。来年の見通しは。

「今年後半よりはましかなと思っている。金利が上がるか下がるかは別にして、動かないのが一番まずい。主要中銀の金融政策が、おそらく来年は転換点を迎える可能性がある」

「米国は完全雇用状態の中で大減税もするので、来年はどう考えても悪くない。ECB(欧州中央銀行)も正常化の方向。日銀は黒田総裁の任期切れが迫る3月か、4月が1つの大きな転換点になると予想している」

――年明け、欧州で導入されるMⅰFID2(第2次金融商品市場指令)の影響は。

「精査中だ。ヨーロッパの顧客とは対話を始めているが、ネガティブな影響がより大きいだろう。今までのように、リサーチやIRを含めたサービスを提供してオーダーをもらうことができにくくなる。限りなく安いフィーになりそうで、付加価値を上げていくしかない」

――リーマン・ショックから来年で10年になる。

「リーマンショック前はある意味、見果てぬ夢だったかもしれないが、規模は小さくてもバルジブラケットのビジネスモデルを追いかければよかった。しかし、もはやそのモデルが崩壊した。自分たちなりのビジネスモデルを作らざるを得ない。まだ答えは出ていないが、新しい収益の獲得の仕方を自分たちで模索して考えていくしかない」

「(リーマンの事業の継承は)初めての経験で高い授業料を払って勉強した。次にもしどこかを買収することがあれば、もっとうまくやる。ただ、顧客基盤は間違いなく広がった。われわれがオーガニックにやっていては10、20年掛かっても無理だった。コストコントロールもやり、なんとか利益が出るような体制にようやくなった」

――新しいビジネスモデルをどう模索するか。

「低スプレッド化などで儲けにくくなるのは仕方がない。一番気にしているのは、安定的な収益源だった国内のリテール業務が構造的に大きく変わることに対して、どのような手を打っていくのか。AI時代の到来に備えて人でやるサービスと、ITに任せるサービスの二極化を進める」

――仮想通貨ビットコインについて。

「勉強の最中だが、かなり投機的であるのは間違いない。取引所を含め、われわれ自身がプラットフォーマーをするつもりはない」

このインタビューは27日に行いました。

*写真を差し替えました。

    布施太郎、和田崇彦 編集:吉瀬邦彦

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