June 12, 2019 / 9:16 PM / 14 days ago

インタビュー:スルガ銀はM&A対象でない、再生支援で出資も=新生銀社長

[東京 13日 ロイター] - 新生銀行(8303.T)の工藤英之社長は、ロイターとのインタビューで、業務提携したスルガ銀行(8358.T)に再生支援の目的で出資する可能性はあるものの、M&A(企業の合併・買収)の対象ではないと述べ、将来的な経営統合を否定した。

6月12日、新生銀行の工藤英之社長は、業務提携したスルガ銀行に再生支援の目的で出資する可能性はあるものの、M&A対象ではないと述べ、将来的な経営統合を否定した。2010年10月撮影(2019年 ロイター/YURIKO NAKAO)

新生銀は今年5月に発表した2021年度を最終年度とする中期経営戦略で「資本の活用」を盛り込んだ。工藤社長は、資本の活用方法としてM&Aを挙げ、国内やアジアのノンバンクがターゲットになるとした。

しかし、「地方銀行を買収していくのは、われわれの戦略ではない」(工藤社長)とし、新生銀が持つさまざまな金融サービスを顧客に提供してくれる企業との提携を重視する考えを示した。

資本の有効活用などを通じ、新生銀は株主資本利益率(ROE)の押し上げを図る。中期経営戦略では、18年度に6.0%だったROEを中期的に8.0%にするとした。工藤社長は「相当強気な成長ストーリーだ」と話した。

インタビューは11日に実施した。主なやり取りは次の通り。

――中期経営戦略には「価値共創」という概念が入った。

「今回の中期経営戦略の最大のキーワードと言ってもいい。世の中の金融サービスの提供のあり方が、だいぶ変わってきている。特に個人向けのビジネスで顕著だが、個人の顧客がサービスや商品を購入するときに、その裏側で決済など何らかの金融取引がセットになっている」

「API(銀行以外の関係者が銀行システムに接続し、銀行の機能を利用するためのプログラム)基盤の上に様々な金融商品や非金融商品、サービスなど、顧客のニーズに合わせて載せたり外したりできる、そういう基盤をわれわれのグループ会社で用意しようとしている」

「ここでの特徴は、必ずしも新生銀の銀行口座にリンクさせなくてもいいという仕立てにする点。結果として、様々なパートナー企業が(その企業の)サービスに(新生銀のサービスを)組み込みやすくなる」

「新生銀行は、金融グループとしていろいろな金融機能を持っている。一方で、顧客基盤はそれほど大きくない。新生フィナンシャルで提供している無担保カードローンのビジネス、カード信販会社・アプラスには、トップクラスの機能がある。これらを活用するには、顧客基盤を持ったパートナー企業に、金融サービスのパーツとして組み込んでもらえばいいのではないか」

――中期戦略には、当期純利益の目標値が入っていない。

「意味合いがなかったからだ。いろんな前提条件を置いてP/L(損益計算書)を作って、ボトムラインはこうだと何年も展開しているが、マーケット環境はどんどん変わる。自分たちの状況も変わる。大事なのは、対投資家では1株価値がどうなるか。もっとストレートにそれを表現できた方がいい」

「ボトムラインの数字はやめて、意味のあるパラメータを重要なものに絞って出した。1株当たりの利益の成長率、ROEなどのキーとなる数字だけを出して、それと照らして計画の進ちょくを判断してもらえばいい。1株当たりの利益は成長するとしているし、ROEは今よりはるかに高い。相当強気な成長ストーリーにしかならない」

――中期戦略には資本の活用が盛り込まれた。

「資本を使わないとROEが上がらない。資本の使い方には3種類ある。1つは既存のビジネスをどう伸ばしていくか。もう1つはM&A、3つ目は自己株取得。この3つの組み合わせでROEを上げていく」

「M&A戦略は、小口のファイナンスを中心としたノンバンクで、国内とアジアがターゲット。これは前の中計時代と同じだ」

「スルガ銀行は、この戦略に載っていない。地方銀行を買収していこうとか、傘下に入れていこうというのは、われわれの戦略ではない。顧客基盤を大きくしたいというよりは、高い機能をグループ内に持って、それをパートナーに活用してもらおうと思っている。地銀を傘下に入れる必要はなく、パートナーになってくれるところを探そうと思っている。資本参加する必要は必ずしもない」

――スルガ銀への出資の可能性は。

「何も決めていない。資本提携についての考え方は、(提携発表時の)プレスリリースで『打診されたらきちんと検討する』としている。今のところ、それ以上でもそれ以下でもない」

「業務提携はお互いにとって意味のある項目を並べており、具体化のプロセスに入っている。資本提携はそれとは全然別の話。業務提携は1つ1つでメリットが取れればやる意味があるが、資本を入れるということは、会社全体のリスクを取ってリターンを上げなければいけない」

「地銀を傘下に入れていこうという戦略ではないので、資本提携はオポチュニティー・ベースの話であって、必ずしもコアの戦略とは言えない。やるとすれば再生支援のための投資になるのではないかと思うが、そもそもやるかどうか、出資比率はどれくらいか、今は白紙だ」

和田崇彦 編集:田巻一彦

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below