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アングル:「働き方改革」が株買いに、海外勢はサービス業注目
2017年3月29日 / 08:39 / 8ヶ月後

アングル:「働き方改革」が株買いに、海外勢はサービス業注目

[東京 29日 ロイター] - 日本の「働き方改革」を投資家も注目している。深刻化する人手不足を逆に好機として、労働時間短縮と業績改善の両立に期待が集まっている。

 3月29日、日本の「働き方改革」を投資家も注目している。深刻化する人手不足を逆に好機として、労働時間短縮と業績改善の両立に期待が集まっている。特にサービス業は国際的にみて生産性が低いことから、改善余地が大きいとみる海外勢も多い。写真はヤマト運輸のロゴ。都内で2月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

特にサービス業は国際的にみて生産性が低いことから、改善余地が大きいとみる海外勢も多い。自動化や余暇消費、アウトソーシングの企業などへの物色も目立ってきた。

<残業時間半分でも業績上方修正>

日本電産(6594.T)の残業時間(月間平均、本社全体)は、この1年で約半分に減った。だが、業績は依然好調で1月下旬には、2017年3月期の利益予想を上方修正した。市場もこれを好感、同社の株価は昨年末から5%近く上昇している。

同社は約1万人となる国内従業員の残業時間を2020年までにゼロにするために、1000億円の業務効率化投資を計画している。

フィデリティ投信・ポートフォリオマネージャー、古田拓也氏は、業務時間短縮と業績改善を両立している企業として同社に注目。「会議時間の短縮や、工場自動化で労働時間を下げながら、生産性を向上させる取り組み行っているようだ」と話す。

大和ハウス工業(1925.T)は2004年からロックアウト(社内基準時間以外の事業所閉鎖)を実施。15年度からは人事部による「抜き打ち検査」を実施するなど徹底を図った。その結果、社員1人あたりの年間所定外労働時間は、前年度比44時間減少した。

一方で、17年3月期は売上高、利益とも過去最高となる見通しだ。同社の株価はこの2年で約40%上昇している。ブラックロックは3月22日に同社株を5.08%保有しているという大量取得報告書を提出している。

残業代が減って給料が目減りすれば、労働者にとってデメリットにもなり得る。だが、「大企業は残業代を一律支給し、中小企業は賃金を変えず就業時間の短縮もしくは有給取得の促進」(あしたのチーム総研、佐藤千尋氏)で対応しているようだ。

<低生産性は「改善余地」>

海外投資家が注目するのは、日本のサービス業の生産性の低さだ。日本総研によれば、購買力平価ベースでみた労働生産性水準を国別に比較すると、日本のサービス業(医療・教育・不動産を除く第3次産業)の労働生産性は、米国の半分程度。だが、それをマイナスと捉えるのではなく「改善余地がある」(外資系証券)として受け止めている。

生産性向上の鍵とみられているのが自動化だ。IOT(モノのインターネット)、ロボット、AI(人工知能)、自動化などの関連株は、ここ1年で20%アウトパフォームしているという。

アウトソーシング企業への期待も大きい。「働き方改革で本業に集中する企業が増えている分だけ、アウトソーシングビジネスのニーズは高まっている」(フィデリティ投信の古田氏)という。

企業福利厚生の総合アウトソーシングを手がけるリログループ(8876.T)は11年11月に東証1部に上場して以来、株価は右肩上がり。同じくアウトソーシング事業のプレステージ・インターナショナル(4290.T)の株価も、きょう29日に昨年来高値を更新した。

また、引退世代の増加や、人口減による1人当たり賃金上昇と女性の社会進出拡大による世帯所得の増加を背景に、サービスに対する消費が急速に伸びるとの期待もある。2月にブラックロックはラウンドワン(4680.T)を、フィデリティ投信はぐるなび(2440.T)を、それぞれ5%以上取得している。

<「日本の縮図」ヤマト運輸が値上げへ>

世界最大の資産運用会社、米ブラックロックの日本法人、ブラックロック・ジャパンは今月上旬、投資先の日本企業約400社に働き方改革を求める手紙を送付。働き方改革を通じて、従業員の働き甲斐や満足度を高めることが、長期的な成長には不可欠だと訴えた。

「働き方改革」が日本企業の生産性を向上させることができるか──。28日に働き方改革実現会議が「実行計画」を提示したが、実効性は未知数だ。

ただ、「働き方改革を国を挙げてやることによって、特に生産性の低い非製造業の業務は大きく変化する。物流からIT企業などに広がっていく」(大和証券・シニアストラテジスト、石黒英之氏)との期待もある。

ヤマトホールディングス(9064.T)傘下の宅配便最大手ヤマト運輸では、労働需給の逼迫により人件費が想定を超えて急増。このため基本運賃値上げなどを検討している。

JPモルガン証券・チーフストラテジスト、阪上亮太氏は同社を「日本の縮図」と指摘。「非常に効率的なシステムと非常にロイヤリティの高い従業員を抱えながら、27年間値上げしてこなかった。そういう会社が値上げに追い込まれるというのは、日本が変わる一つのきっかけになる」と話している。

*見出しを修正しました

辻茉莉花 編集:伊賀大記

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