[東京 6日 ロイター] - カジノを含む統合型リゾート(IR)を解禁する法案(IR推進法案)は6日、衆院本会議で自民党、日本維新の会などの賛成多数で可決された。民進、自由、社民の3党は退席し、共産党は反対。自主投票の公明党は賛否が分かれた。
IR推進を主張する超党派のIR議員連盟は、14日の会期末までに参院で可決し、成立を目指しているが、民進党など野党だけでなく、与党の公明党内にも反対論があり、先行きは依然不透明だ。
自民党を中心とする超党派のIR議員連盟は、IR推進法案を成立させることで観光振興や雇用創出を促すことになると訴えてきた。
カジノのほか、国際会議場やショッピングセンター、宿泊施設などが一体的に運営されるIRには、経済効果も期待されている。
米カジノ運営大手、MGMリゾーツ・インターナショナルMGM.Nのジェームス・ムーレン会長・最高経営責任者(CEO)はロイターとのインタビューで、投資規模は「5000億円から1兆円になるだろう」と述べていた。
一方、反対派はカジノがマネーロンダリング(資金洗浄)の温床になる恐れがあると指摘。ギャンブル依存症への対策が、はっきり決まっていない段階での解禁は、社会的に弊害が多いと主張している。
カジノ解禁は、2段階での法的対応が予定されている。IR推進法案が成立した場合、1年以内に政府が「IR実施法案」を作成し、具体的な規制やIR運営に関するルールを明記。実施法案の成立後にカジノ運営が認められる手順となっている。
この日の会見で、自民党の細田博之・総務会長(同議連会長)は、パチンコなどを含むギャンブル依存症の問題についても、今回の推進法案の審議を踏まえて「社会的に取り組むべき時が来た」と語った。
IRの誘致には、大阪市、北海道釧路市、苫小牧市、長崎県佐世保市、横浜市などが前向きな姿勢を示している。
*写真を差し替えました。
江本恵美 編集:田巻一彦
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