May 9, 2018 / 2:26 AM / 4 months ago

イランの欧州・アジア向け原油輸出、米制裁再開決定が影落とす

[ニューヨーク/ソウル/東京 8日 ロイター] - トランプ米大統領が8日発表した、イランに「最高レベル」の経済制裁を再び科す計画が実行に移された場合、中国などアジア諸国や欧州へのイラン産原油輸出は今年後半から来年にかけて下降線を描く見通し。

イランは現在、日量約250万バレルの原油を輸出。主要な輸出先は中国やインドなどアジア諸国となっている。関係筋によると、アジアの石油精製各社は米国による対イラン経済制裁再開に備えて調達先をイラン以外の国にシフトさせてきた。

トランプ大統領は8日、イランと欧米など6カ国が2015年に締結した核合意から離脱し、イランに対し「最高レベルの経済制裁を科す」と表明した。

米コンサルティング会社ラピダン・エネルギー・グループのボブ・マクナリー社長は「イラン産原油購入国の一部が取引を停止する要因になると見込む」と述べた。

イランの原油生産量は日量約380万バレルに上り、世界の供給量の約4%を占める。米国は180日の猶予期間を経て対イラン制裁を再開する方針のため、原油輸出がすぐに減少することはないとみられる。

核合意の当事国である英国とドイツ、フランスは8日、米国抜きでも合意を完全履行する立場を示した。

ただ、欧州とアジアの原油輸入国は、取引相手として米国とイランのどちらを選ぶかという決断を迫られることになるかもしれない。マクナリー氏は「全員が慌ててホワイトハウスに適用除外措置を求めることになる」と予想した。

イランによる原油輸出は、欧米諸国が厳格な対イラン制裁を導入した2012年初頭と同様の下降線をたどる可能性がある。12年当時は輸出が日量100万バレル強まで減少し、中国、インド、日本、韓国がその大半を占めた。

現在は中国が最大の購入国で、トムソン・ロイターの船舶追跡データによると、輸入量は16年半ばに日量約90万バレルでピークを付け、今年に入ってからは60万バレルまで減少している。

中国の石油精製各社は供給量にイラン産原油が占める割合は比較的小さく、ロシアやサウジアラビア、西アフリカ、米国で代替調達先を見つけるのは簡単だとの認識を示した。

国際原油価格は今週、米国の対イラン制裁再開による供給逼迫化への懸念から、14年終盤以来の高値を記録。ムーディーズ・アナリティクスは、米制裁によってイランの生産量は日量40万バレル程度減少すると予想した。

日本と韓国の石油精製会社の一部は、イラン産原油に対して新たな輸入制限が発動される可能性に備え、代替調達先へのシフトなどの対策を講じてきたと説明。

ただ、韓国のある石油化学会社筋は、イラン産原油と同等の成分組成を見つけることが困難だと指摘。「価格次第ではカタールから調達することは可能だ」と述べたうえで、「米国産軽質原油は足元ではそれほど低コストではなく、韓国の設備にあまり適合していない」と語った。

 5月8日、トランプ米大統領が発表した、イランに「最高レベル」の経済制裁を再び科す計画が実行に移された場合、中国などアジア諸国や欧州へのイラン産原油輸出は今年後半から来年にかけて下降線を描く見通し。写真はソウルで2011年4月撮影(2018年 ロイター/Lee Jae Won)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below