[ウィーン 12日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)は、イランが2015年に欧米など6カ国と結んだ核合意に沿って核開発を制限するための主要な規定を引き続き順守しているとの報告書をまとめた。
ロイターが入手した同報告書によると、イランの保有する低濃縮ウランは149.4キロと、核合意の基準である202.8キロを大幅に下回った。重水は122.8トンと、前回の報告書からほとんど変わらなかった。イランは重水の製造を継続したが、1.7トンは輸出され、1.5トンは医療用化合物の製造に使われた。
報告書は四半期ごとにまとめられている。
米国は今年5月に核合意からの離脱を表明。今月5日にはイランの石油部門などを対象とする制裁を再開させた。IAEAは、イランの核開発を制限する主な合意事項について、一部は制裁再開前に順守していることをを確認している。ただ、1人の外交関係者は、制裁再開以降に「イランの態度が変わったことを示す証拠は何もない」と述べた。