July 21, 2015 / 6:52 AM / 4 years ago

〔アングル〕海外投資家がイランに注目、制裁解除後の資金流入見込む

[ロンドン/ニューヨーク 20日 ロイター] - イランの核問題の解決に向けて同国と欧米など6カ国が先週合意したことを受けて、海外の投資家は4000億ドル規模のイラン経済への投資に動き出している。

一部の投資家が制裁解除前のイラン株保有を目指す一方、多くの投資家は、制裁解除後の投資や、すでに同国に進出している多国籍企業に注目している。

イランは中高所得国と分類され、人口は7800万人。国内総生産(GDP)はタイやアラブ首長国連邦(UAE)を上回る。

証券会社ルネサンス・キャピタルによると、制裁解除後の1年間で10億ドルがイランに流れ込む見通し。ただ、解除まで何カ月もかかる可能性が高いうえ、あらゆる制裁措置が一気に解除される可能性はないとしている。

ロンドンのブティック型投資銀行ファースト・フロンティア・キャピタルは、イランに特化したファンドの設立手続きを進めている。制裁解除前に投資家がイラン株を保有することを可能にしたい考えだ。

同行のリチャード・アドレー共同最高経営責任者(CEO)は「イランは皆が完全にアンダーウエートと評価している市場であり、ホットマネーを皮切りに大量の資金が流入するのは明らかだ」と語る。

同氏は、向こう数カ月以内にイランに特化したファンドをローンチする計画で、年末までに1億ユーロの投資資金を集めることを目指している。同氏はまた、イラン株のバリュエーションはPER(株価収益率)が5─6倍と非常に低い、との見方を示した。

イランへの投資に動いているのはファースト・キャピタルだけではない。英資産運用会社シャルルマーニュは4月、イランの投資会社ターコイズ・パートナーズと組み、イランの証券銘柄に投資するファンドを立ち上げると発表した。

一方で、現時点でイランに特化したファンドにはリスクが多すぎると懸念する声もある。英資産運用会社MENAキャピタルのハーレド・アブデル・マジード最高投資責任者(CIO)もその一人。同社は制裁解除後に資産の一部をイラン株で運用することを目指し、テヘランで現地パートナーを探し始めた。マジードCIOは「核合意には多くのリスクがあり、現在の体制もあと50年続くほどには安定していない」と指摘する。

ルネサンス・キャピタルなどによると、制裁解除を見据えた資産運用担当者からのイラン関連の調査依頼が急増している。

イランについては、魅力的な人口構成を持つ、多様で地政学的に重要な市場という点でサウジアラビアと似ているとの指摘がある。

ただ、アクセスや取引に関するロジスティクス面で、イランに直接投資する際の問題が残っている。このため、すでにイランで事業を展開している多国籍企業が、制裁措置が解除されるまで少なくとも短期的に恩恵を受けることになると、英投資運用会社アシュモアのエクイティ・プロダクト・マネジャー、ジョアナ・アーサー氏は予想する。

運用資産4億3400万ドルの「ナイル・グローバル・フロンティア・ファンド」のポートフォリオマネジャー、ラリー・セルマ氏は、イランは最終的に同ファンドの投資先になるとしつつも、南アフリカの携帯電話事業者MTNグループ などの企業への投資を当面続けるとした。MTNグループはイラン第2位の携帯電話事業者イランセルに49%出資している。

MTNグループは4月、投資家に対し、核開発をめぐる最終合意がなされた場合は、制裁によって凍結されていた同社イラン事業からの累積配当などで約10億ドルが本国に還流する見通しだと説明していた。

多国籍の携帯電話事業会社や自動車メーカー、ホスピタリティ企業が制裁解除の恩恵を最も受けるとみられている。

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