[パリ/ウィーン 1日 ロイター] - イランは、中部ナタンズのウラン濃縮施設への国際原子力機関(IAEA)の査察官のアクセスを、安全上の問題を理由に制限している。複数の外交筋がロイターに明らかにした。
ナタンズの核施設では今年4月、爆発と停電が起き、遠心分離機が損傷したもよう。イラン当局はイスラエルが関与したと主張している。
IAEAは5月に公表した四半期報告書で、同国の濃縮活動が減速していることを指摘している。
ウィーンを拠点とする外交筋は「4月の事故と妨害行為により、安全上の理由でアクセスが制限された」と述べた上で、「検証を実施する(IAEAの)能力にはほとんど影響しない」と説明した。
IAEAとイランは「この制限が恒久的なものとなり、検証能力が損なわれることを避けるため」この問題について話し合ったという。
一方、西側外交筋はイランが「われわれを挑発している」と指摘。来週には査察官が全面的にアクセスできるようになるはずだと語った。
イランは今年2月、IAEAの厳しい査察を受け入れる「追加議定書」の履行を停止した。同時に、その影響を和らげるために3カ月間は必要な査察を受け入れることに合意した。この合意は5月24日に1カ月間延長され、6月24日が新たな期限だった。
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