[ベイルート 9日 ロイター] - イラン学生通信(ISNA)によると、イランのロウハニ大統領は9日、フランスのマクロン大統領と電話で会談し、欧州が核合意を維持できる機会は「限られる」と伝えた。
ロウハニ氏は会談で「現状では、欧州が核合意を維持できる機会は極めて限られており、欧州はその責務に関してできるだけ迅速に立場を表明する必要がある」と発言。
核合意に基づく、原油輸出や銀行、投資、保険に関連するイランの権利は明白な形で「保証される」必要があるとも述べた。
トランプ米大統領は8日、イランの核開発を制限するため欧米など6カ国とイランが2015年に締結した核合意から離脱し、対イラン経済制裁を再開すると表明した。
ISNAによると、ロウハニ氏はマクロン氏との電話会談で、イランと契約を結んでいる外国企業も米国の決定を受けた今後の方針を表明しなければならない、と語った。
トランプ大統領は8日の演説で、核合意はイランがウラン濃縮を核武装の手前の段階まで進めることを許していると指摘した。
ISNAによると、ロウハニ氏はマクロン氏に対し、イランは核合意に基づく責務を果たしており、兵器開発のためのウラン濃縮は行っていないと強調。「トランプ大統領がどう考えようと、イランにおけるウラン濃縮は核兵器開発を目指しておらず、科学的・技術的な研究が目的だ」と述べた。