[エルサレム 14日 ロイター] - イスラエル新政権は14日、エルサレムで15日に予定されるユダヤ人極右グループの行進を許可すると発表した。発足したばかりのベネット新政権にとって、早くもパレスチナとの緊張が高まる恐れがある。
15日の行進では、極右グループがイスラエルの旗を掲げて東エルサレムの旧市街やその周辺を歩く予定だ。この地域では、5月に11日間続いたイスラエル軍とパレスチナ自治区ガザの武装勢力の衝突以降、緊迫した状況が続いている。
パレスチナ勢力は、エルサレムの行進に対抗する「怒りの日」を呼び掛けている。エルサレム旧市街にあるイスラム教礼拝所「アルアクサ・モスク」やパレスチナ住民が立ち退きに直面する地区の周辺では先月、パレスチナ人のデモ隊とイスラエル警察が衝突した。
パレスチナ自治政府のシュタイエ首相は「行進はわれわれの民族に対する挑発であり、われわれのエルサレムと聖地に対する攻撃だ」と非難した。
イスラエルのメディアによると、バーレフ治安相は警察トップや治安当局者との会合後、行進を許可し、警察は万全の準備が整っているとする声明を出した。
参加者が当初の行進ルート上にある旧市街のイスラム教徒地区に入ることが認められるかは不明。
5月10日の当初の行進では、エルサレムでの緊張の高まりがガザを実効支配するイスラム組織ハマスによるロケット弾発射につながったことを受け、直前にルートが変更された。イスラエルの右派グループは政府がハマスに屈したと批判し、行進の日程を組み直した。
ハマスは、行進が実施されれば再び敵対行為を行う可能性があると警告した。イスラエルメディアは、衝突の可能性に備えて軍が態勢を整えていると報じた。
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