November 23, 2018 / 11:42 PM / 19 days ago

アングル:イタリア銀行株の空売り拡大、EUと対立激化で

[ロンドン/ミラノ 21日 ロイター] - ここ数週間、イタリアの銀行に対する投資家の空売りポジションが膨らんでいることがデータで確認できる。浮かび上がってくるのは、イタリアの銀行の厳しい収益見通しや、同国政府の来年予算案を巡る欧州連合(EU)との対立激化に伴う経済の先行き不安だ。

 11月21日、ここ数週間、イタリアの銀行に対する投資家の空売りポジションが膨らんでいることがデータで確認できる。ローマで5月撮影(2018年 ロイター/Tony Gentile)

イタリアの銀行の時価総額は5月以降で計400億ユーロが消失した。予算問題で国債利回りが5年ぶりの高水準に迫り、銀行の保有する国債の価値が目減りするとともに、財務基盤の弱い一部の銀行は資本不足に陥るリスクが高まりつつある。

21日には欧州委員会が、イタリアの来年予算案がユーロ圏の財政規律を順守していないとして、是正措置を求める過剰財政赤字是正手続き(EDP)を勧告した。

イタリアの銀行は国債残高の2割近くを抱えているだけに、こうした欧州委の動きを見越したかのように、投資家は既に銀行株がさらに下落することに賭ける取引を拡大。空売りの標的になっているのは中小銀行で、投資銀行のメディオバンカ(MDBI.MI)や銀行と資産運用を手掛けるバンカ・メディオラヌム(BMED.MI)の空売りも増加している。

FISアステック・アナリティクスのデータに基づくと、空売りに用いられる貸株残高はイタリアの銀行の場合、少なくとも過去15カ月で最高水準となった。例えばメディオラヌムの発行済み株式に占める貸株の割合は約8.7%で、メディオバンカに至っては可能限度いっぱいの15%に達するほどだ。

ジェフリーズの銀行アナリスト、ベンジー・クリーラン・サンドフォード氏は「2012年のようなソブリン型の側面が強い危機の再現というテールリスクがあると信じられているとすれば、イタリアの銀行は間違いなくそれによってマイナスの影響を受ける」と述べた。

空売り需要の強さの尺度となる株式の借り入れコストを見ると、国内第3位のバンコBPM(BAMI.MI)はこの3カ月で40%も跳ね上がった。

<空売り規制>

政治サイドには、銀行株の空売りを制限しようとする動きも出ている。ジョルゲッティ官房長官は21日、国債利回りスプレッド拡大から銀行を守る目的で、空売り禁止を提唱した。

ただし空売りを規制しても、投資家が来年予算案の問題でEUとの対立が終息すると投資家がみなさない限り、銀行株への逆風は弱まらない、とジェフリーズのクリーラン・サンドフォード氏は話す。

同氏はロイターに「空売りが下げ圧力を助長しているとの考え方があるが、より長い期間では株価は(企業の)基本的な価値を反映する。その観点では、空売りできるかどうかは大勢に全く影響しない」と説明した。

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