May 29, 2019 / 10:40 AM / a month ago

ECBのマイナス金利政策、むしろ銀行支援要因=副総裁

[フランクフルト 29日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は29日、超低金利政策は銀行にとって足かせではなく、むしろ支援要因となるとの考えを示した。

 5月29日、欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁(写真)はイタリアについて、欧州連合(EU)の財政ルールに従う必要があると主張、ルールに従わなければ資金調達コストが上昇し、経済が一段と打撃を受けるとの認識を示した。4月撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

デギンドス副総裁は記者会見で「マイナス金利政策により欧州経済は回復した。その意味でマイナス金利政策は銀行収益の支援要因となった」とし、大規模な不良債権、過剰能力、高コストなどの構造的な問題が銀行セクターの軟調な利益の背後にあるとの考えを示した。

銀行は長らく、マイナス金利政策が収益の圧迫要因になっていると指摘。ECB当局者は来週、銀行対策を巡り討議する可能性がある。対策の1つとして中銀預金金利の階層化が挙げられているが、これについては数年前に討議されたが実現しなかった経緯があり、現時点でも政策当局者の間で広範な支持は得られていない。

ユーロ圏の銀行の利益率は特に低く、デギンドス副総裁は今年は一段と低迷する可能性があるとし、向こう2年間にわたり緩やかにしか回復しないとの見方を表明。安定リスクに加え、不動産バブル、英国の合意なき欧州連合(EU)離脱、イタリアを中心とした高水準の公的債務などがユーロ圏のリスクとして台頭しているとの考えを示した。

イタリアについては、EUの財政ルールに従う必要があると主張、ルールに従わなければ資金調達コストが上昇し、経済が一段と打撃を受けるとの認識を示した。

イタリアの国債利回りは今週、急上昇した。EUは財政規律違反でイタリアに多額の制裁金を科すことを検討しており、欧州委員会とイタリア政府の間で緊張が高まっている。

副総裁は会見で「メッセージは極めて明確だと思う。イタリア政府と(欧州)委員会の間の緊張が緩和すれば、スプレッドが縮小する。緊張が高まれば、直ちにスプレッドが拡大する」と発言。「教訓は非常に明らかだ。財政ルールを守ることは非常に重要だ」と述べた。

イタリアはプライマリーバランス(基礎的財政収支)が黒字だが、経済成長率が極めて低いことが大きな課題だと指摘。スプレッドが拡大すれば直ちに政府のコストが増加し、財政支出拡大の効果が低下する恐れがあるとの見方も示した。

ECBは半期に1度の安定報告でリスクについて言及し、住宅市場で緩やかなオーバーバリュエーションの兆候が出始めていると警告。「ECBは不動産市場を注視しており、必要に応じて資本金をベースとしたマクロプルーデンス措置を導入する可能性がある」とし、価値の過大評価の拡大阻止に向け、ECBが銀行に対し資本金の積み増しなどを要請する可能性があることを示した。

また、英国のEU離脱に対しユーロ加盟国は比較的十分な準備ができているとしながらも、条件などで合意できないまま英国が離脱した場合、経済成長が損なわれると同時に、合意なき離脱のリスクは適切に市場で織り込まれていないことから金融市場が波乱に見舞われる恐れがあると指摘。「通商を通した波及的な影響に加え、合意なき離脱に関連する市場への衝撃がユーロ圏の経済成長に対する重大な下向きリスクとなっている」とした。

*内容を追加しました。

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