June 11, 2019 / 9:24 PM / 2 months ago

EU、イタリア財政巡る是正手続き開始に近付く 伊は回避へ努力

[ローマ/ブリュッセル 11日 ロイター] - イタリア連立与党は10日、債務拡大に対する欧州連合(EU)の是正手続きを回避するため取り組むことで合意した。一方、EU加盟国はイタリアの債務問題への対応が正当化されるとの認識で一致し、是正手続きの開始に一歩近付いた。

 6月10日、イタリア連立与党は、債務拡大に対する欧州連合(EU)の是正手続きを回避するため取り組むことで合意した。写真はEU旗。ベルリンで5月に撮影(2019年 ロイター/HANNIBAL HANSCHKE)

ロイターが確認した文書によると、EU加盟国の代表はイタリアに対する是正措置が正当化されるとの見方で一致した。イタリアの債務拡大を財政規律違反と判断した欧州委員会の見解を支持した格好だ。

欧州委員会のユンケル委員長は11日、イタリアは「不健全な方向に向かっている」とし、EUの「過剰財政赤字是正手続き(EDP)」が発動されるリスクがあると指摘した。

連立政権内の対立が続いていたイタリアでは、与党の「同盟」と「五つ星運動」の党首が10日、財政を巡るEU側の懸念に対応する方針で一致した。

コンテ首相は両党首との会談後、EU是正手続きの回避に向けて協力すると表明した。

同盟のサルビーニ党首は「経済成長や雇用に加え、減税を守りつつ財政規律違反を回避することがわれわれの共通の目標だ」と述べた。

イタリアの債務は金融危機前の2007年時点で対国内総生産(GDP)比104%だったが、その後徐々に拡大し、現在では同132%と、ユーロ圏ではギリシャに次ぐ水準に膨らんでいる。欧州委の予想では2020年には135%へとさらに拡大する見通しだ。

EUはイタリアに対し、一時的な歳入などを除いた構造的財政赤字の削減も求めている。

関係筋によると、EU加盟国はイタリアが新たな提案を示せば是正手続きの回避が可能との立場で一致したという。

<増税に反対>

しかし、5月の欧州議会選での勝利などを受けて強気姿勢を強める同盟のサルビーニ党首は減税を優先課題とし、EU財政規律の見直しを繰り返し求めている。

サルビーニ氏は11日も「予算修正や増税は行わない」と強調した。

トリア経済財務相はEU側の動きをさほど懸念しない姿勢を示し、最終判断はEU財務相に委ねられると述べた。また、予算修正は必要ないとしたほか、歳出減少の結果、財政赤字は当初予想より小幅にとどまるとの見方を示した。

EUは今後、イタリアから一段と踏み込んだ対応を求めて協議を活発化させる見通しだ。

ある当局者によると、妥協点を見いだすことができなければ欧州委員会は早ければ6月26日にも是正手続きの開始を勧告する可能性がある。その後、EU加盟国が7月8─9日の会合で手続きの正式な開始で合意する必要がある。是正手続きに入れば、イタリアに制裁金を科す可能性もある。

こうした中、イタリアは230億ユーロ相当の売上税引き上げも回避したい意向だ。別の方法で歳入を確保できなければ、売上税は来年、自動的に引き上げられることになっている。

同盟と五つ星はいずれも売上税引き上げに否定的だが、増税回避によって生じる歳入減少をどう穴埋めするかは明らかにしていない。

*内容を追加しました。

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