[ローマ 13日 ロイター] - マリオ・ドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁が13日、イタリアの首相に就任した。新型コロナウイルス危機と景気低迷からの脱却に向けたかじ取りを担う。
ドラギ氏の首相就任は、1党を除く全ての主要政党が支持した。閣僚メンバーは、幅広い政党の議員やテクノクラートで構成される。
今後、上下院で信任投票が行われるが、内閣に加わっていないのは極右政党「イタリアの同胞」のみであることから、同国史上最多の支持を得て信任される可能性が高い。
目先の課題は、新型コロナ危機からの回復の道筋を描くことだ。欧州連合(EU)から受け取る2000億ユーロ(2400億ドル)超の復興基金の活用計画を直ちに策定する必要がある。
フォンデアライエン欧州委員長は、ツイッターで「とりわけ現在の困難な局面において、あなたの経験はイタリアと欧州全体にとって並外れた資産となる」と祝意を表明した。
イタリアは、第2次世界大戦以来の困難に直面している。新型コロナ感染症で依然として1日当たり数百人が死亡しており、ワクチン接種の進展は緩慢だ。
次回の総選挙は2年後に予定されるが、移民政策やインフラ開発、社会福祉などを巡り見解が大きく分かれる政党で構成する連立政権のトップに、ドラギ氏がそれまでとどまることができるかは不透明だ。
ドラギ政権は1946年以降で67番目、過去10年だけでも7番目の政権となる。
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