January 29, 2019 / 1:48 AM / 3 months ago

焦点:イタリア連立政権の亀裂鮮明に、伊仏鉄道トンネル巡り

[サンマルタン・ドゥ・ラ・ポルト(フランス) 25日 ロイター] - イタリア連立政権を構成する新興政党「5つ星運動」と極右政党「同盟」が、同国とフランスを結ぶトンネル建設続行の是非を巡って対立している。昨年の総選挙後、主義主張を超えて手を組んだ両党だが、5月の選挙を控え、この問題で袂を分かつ可能性も出てきた。

 1月25日、イタリア連立政権を構成する新興政党「5つ星運動」と極右政党「同盟」が、同国とフランスを結ぶトンネル建設続行の是非を巡って対立している。写真は2018年11月、リヨンとトリノを結ぶ高速鉄道TAVのトンネル建設現場。仏サン・マルタン・ド・ラ・ポルトで撮影(2019年 ロイター/Massimo Pinca)

トンネルはアルプスを貫き、伊トリノと仏リヨンを全長58キロメートルにわたって結ぶもので、フランス側では既に巨大ボーリングマシンによる掘削が進んでいる。

ビジネス寄りの同盟は建設を望んでおり、先週の世論調査によるとイタリア国民の3分の2も建設を支持。一方、左寄りで環境重視派の多い五つ星運動支持者は、半分以上が建設に反対している。

五つ星運動は、トンネル建設は公的資金の大きな無駄遣いであり、老朽化した国内のインフラ強化に財政を充てるべきだと主張。また、建設の過程でアスベストが舞い、近隣住民の健康に被害が出る恐れがあるとしている。

対立は両党の根本的相違に根差すとともに、欧州連合(EU)の将来像についての考え方の違いを浮き彫りにした。

5月に地方選と欧州議会選挙を控えていることが、対立に火をつけている。世論調査によると同盟が五つ星運動をリードしており、選挙により両党のパワーバランスが変わる可能性がある。

五つ星運動は既にここ数カ月、他の主要な議題を巡って同盟に譲歩してきたが、トンネルの件では譲らない姿勢だ。同運動のトニネッリ・インフラ運輸相はロイターに対し、選挙前に決断を下す可能性があると述べた。

トンネルの総工費は86億ユーロ(100億ドル)で、イタリアは12月、専門家による費用便益分析が終わるまでトンネル関連の新たな契約を凍結することで合意している。トニネッリ氏によると、分析結果は1月末までに公表される見通し。

五つ星運動党首のディマイオ副首相は21日、「分析の結果、資金の無駄遣いであることが分かっても建設を進めるとすれば、正気の沙汰ではない」と息巻いた。

しかし、建設を中止させるのはそれほど簡単ではないかもしれない。

<中止のコスト>

トンネル建設にあたる伊仏合弁企業TELTは既に、25キロメートルにわたって掘削を進め、直接、間接に800人を雇用している。建設支持者らによると、既に堀った部分を閉鎖するには、工事を完工するのと同じ程度のコストがかかる可能性がある。

トンネルは、スペインからウクライナ・ハンガリー国境までを結ぶ「地中海の廊下」の一部をなすため、EUがコストの40%を負担しており、この割合は50%に増える可能性もある。

フランスのボルヌ運輸相は、このプロジェクトの「戦略地政学的」重要性を強調し、EUからの資金提供を失ってはならないと訴えた。

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同盟の党首であるイタリアのサルビーニ副首相は25日、「建設するより中止する方が高くつく」と述べ、建設への全面的な支持を表明した。

五つ星運動は無名時代からトンネル建設に反対してきた。コンサルタント会社プレリアスコは、トンネル問題は他の政治議題よりも「5つ星運動にとって象徴としての価値がより高い」と話した。

(Steve Scherer and Cristiano Corvino記者)

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