May 7, 2019 / 5:26 PM / 15 days ago

欧州委、イタリアの債務・赤字拡大を予想 コンテ政権は反発

[ブリュッセル/ミラノ 7日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は7日に公表した四半期経済見通しで、イタリアの経済成長が低迷する中、すでに膨れ上がっている同国の債務が一段と拡大する恐れがあるとの見方を示した。

これに対しイタリア政権は反発。コンテ首相は欧州委の見通しは非寛容で「偏見」に満ちているとしたほか、トリア経済・財務相は来年の公的財政の見通しについて「経済的ではなくむしろ政治的である」との見方を示した。

欧州委はイタリアの2019年の経済成長率は昨年の0.9%から0.1%に減速するとし、2月に示した予想の0.2%から下方修正。ユーロ圏全体の1.2%を大きく下回り、ユーロ加盟国の中で最低となる。

欧州委は、イタリアでは経済成長の低迷が公的財政の重しになると 指摘。財政赤字と債務の双方がEU規律を大幅に上回る状態となるとの見方を示した。

EUは5月23─26日の欧州議会選挙前にイタリアに是正を求めることはないと見られているが、今回示された新たな見通しで、イタリア政府に対する市場の圧力が高まる可能性がある。実際、欧州委の報告を受けイタリアの株価は下落し、イタリア国債と独連邦債との利回り格差は拡大した。

欧州委は政策に変更がなければイタリアの債務の対国内総生産(GDP)比率は19年は133.7%に上昇し、20年に135.2%とピークを付けるとの見通しを示した。

また、政府が支出を巡る政策を変更しない限り、イタリアの財政赤字の対GDP比率は19年は2.5%、20年は3.5%に上昇し、EU財政規律が上限として定める3.0%を超えるとの見方を示した。

失業率は19年は10.9%、20年は11.0%に上昇すると予想。欧州委は、政府の失業手当を目当てに「より多くの人が失業者として登録する可能性がある」との見方を示した。

このほか、投資は19年は0.3%減少すると予想。18年は3.4%増加していた。

欧州委は、イタリア国債利回りが再び上昇すれば見通しは一段と悪化する恐れがあると指摘。一方、政府が歳出を抑制し、計画通りに来年に販売税を引き上げれば、状況は改善するとの見方を示した。

イタリアの今年第1・四半期の成長率はプラス0.2%。コンテ首相はミラノで記者団に対し、イタリアは2四半期連続のマイナス成長で定義されるリセッション(景気後退)を脱却したにもかかわらず、欧州委が年内はこれ以上成長しないとの見方を示したことは「偏見」にあたると指摘。経済は下半期には「底堅く成長する」との見方を示した。

イタリア政府の成長率見通しは19年が0.2%、20年が0.8%と、欧州委の見通しをともに0.1%ポイント上回っている。

トリア経済・財務相は訪問先のパリで、欧州委の来年の公的財政の見通しについて、政府が20年予算案で示す赤字削減に向けたコミットメントを勘案していないことを踏まえると「経済的ではなくむしろ政治的である」との考えを示した。

*内容を追加しました。

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