[東京 17日 ロイター] - 政府は、2021年度の一般会計予算編成で、歳出の不足財源を補う新規国債発行額を43.6兆円とする方向で調整に入った。複数の政府筋が明らかにした。当初予算ベースの発行額としては過去最大だったリーマン危機後の10年度当初(44.3兆円)を下回る規模で、コロナ禍でも財政規律に配慮する姿を示したい考えだ。
与党などとの調整を踏まえて21日に閣議決定する。21年度予算案の歳出総額は106.61兆円と9年連続して過去最大を更新する。新型コロナ対策で予備費を5兆円計上するほか、社会保障費や防衛費が膨らみ、前年度当初からの伸びは4兆円程度となる。
歳出のうち、国債償還や利払いに充てる国債費は23.8兆円と、発行残高の増加が響いて過去最大となる見通しだ。
歳入では、主財源となる税収を57.45兆円と想定し、税外収入で5.6兆円を計上する。差額を補う新規国債は過去最大の水準には至らないが、当初比では11年ぶりの増額となる。
山口貴也
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