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焦点:感染防止・景気対応を一気に 政府経済対策 資金繰り支援は上限なし

[東京 27日 ロイター] - 政府は4月早々にも新型コロナウイルス緊急対策の第3弾を打ち出す。総額は昨年末の経済対策との合算で56兆円超とする案が有力だ。ただ、感染の終息時期が見えないなか、政府・自民党は政策の内容も規模感も1回では決め打ちできないとみて、今後も必要に応じて積み増していく構えだ。対策の財源については、赤字国債に頼ることになるとみられている。

 3月27日、政府は4月早々にも新型コロナウイルス緊急対策の第3弾を打ち出す。総額は昨年末の経済対策との合算で56兆円超とする案が有力だ。写真は記者会見を行う安倍首相。14日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

<大型対策、今回は30兆円超>

政府・自民党内では、安倍晋三首相が強調するように「(感染症拡大と経済への影響の)マグニチュードに見合うだけの必要かつ十分な、強大な経済・財政政策」を打つためには、規模感が必要だとの共通認識があり、今回は「感染拡大防止策」と「景気対策」を一つにまとめて一気に打ち出す構えだ。

規模はリーマンショック時の対策にそん色のない金額となるよう、昨年末に組んだ26兆円の経済と併せて、今回は30兆円超を組む案が有力だ。

大型対策の大半は金融支援となりそうだ。通常の景気対策は公共投資を積み上げて事業規模を大きくすることが多いが、今回は需要創出以前に、資金繰りと雇用維持の問題が深刻なためだ。

第2弾までに確保された1.6兆円規模の融資・保証枠は、あくまで3月の年度末までの対応策。 リーマンショック時には08、09年度の各補正予算で中小企業向け資金繰り対策だけで57兆円程度が確保された。

今回も、すでに中小零細事業者から予算切れを懸念した申し込みが殺到していることから、政府与党内には、一段の拡大が必要との認識がある。政府系金融機関の相談窓口への問い合わせが今週に入って急増するなど、新型ウイルス感染拡大の影響はまだ深刻化しており、必要であれば、この先も申請に応じて予算を積み増し、すべて対応していく方針だという。

<30日に自民提言>

自民党は30日にも安倍首相に政策提言を行う予定だが、盛り込まれる内容はおおむね以下のようなものとなりそうだ。

1.感染拡大防止策としてマスク生産強化、病床確保など医療体制強化

2.資金繰り対策と雇用維持に向けた融資保証や金利肩代わり制度の条件緩和

3.生活支援策として、収入を消失した家計への現金給付

4.観光、飲食、旅館などの需要喚起

5.ITインフラ整備。テレワークや遠隔教育の強化など。

ただ、家計への現金給付については、安心感のために全世帯を対象にすべきか、まだ議論の余地があるという。観光などの需要喚起策の設計はクーポン券やポイント還元などを含め、時間をかけて検討することになる。

<内容積み上げより予算確保が先決>

こうした大規模対策の財源については、赤字国債以外に財源はないというのが与党内の共通認識だ。ある与党関係者は「財政再建への配慮を口にするのも憚(はばか)られる雰囲気が広がっている」と指摘する。

ただ自民党内では、感染終息時期の見極めが不透明なだけに、感染拡大防止と景気対策への比重の置き方で意見が分かれている。

政調関係者からは「今回は珍しく党と安倍首相ら政府の情報格差が非常に大きい。特に感染状況に関する情報は党内に少なく、政策の優先順位付けもなかなか一致できない」との声が漏れる。「学校一斉休校のように、最終的には安倍首相が決めること」との見方もある。

このため、今回の対策は、ひとまず補正予算で全体額を確保し、その後現金給付の取り扱いや商品券の設計など、景気対策部分は後から詰めるといった異例のかたちとなりそうだ。

しかも、対策は1回で終わらない可能性が高い。「感染状況の時間軸がわかる人は何弾ロケットで出すと言えるだろうが、われわれにはわからない」(与党関係者)として、幾度にもわたって打ち出す可能性は否定できないとみている。西村康稔経済財政相も民放番組で対策について「必要に応じて何回でもやる」と発言している。

取材協力:金子かおり 竹本能文 編集:石田仁志

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