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焦点:まん延防止拡大、1-3月期経済を下押し コロナ前回復は不透明

[東京 25日 ロイター] - 政府は25日、まん延防止等重点措置の対象地域に関西圏や北海道など18道府県を追加し、すでに適用されている沖縄など3県も期限を延長する。同措置の対象地域は34都道府県に拡大し、行動抑制による消費押し下げで1─3月期の経済は足踏み状態になる懸念がでてきた。年度内に新型コロナウイルス感染拡大前の経済水準を回復するという政府の見通しが達成されるか、不透明になっている。

 1月25日、政府は、まん延防止等重点措置の対象地域に関西圏や北海道など18道府県を追加し、すでに適用されている沖縄など3県も期限を延長する。お台場で22日撮影(2022年 ロイター/Issei Kato)

<12月好調も、飲食店に広がる影響>

ロイターがエコノミスト40人を対象に1月5日から13日に実施した調査では、1─3月期GDP予測の中央値は前期比年率でプラス4.5%。最大値はプラス8.2%、最小値はマイナス1.1%だった。

全国百貨店協会が25日発表した2021年12月の売上高概況は、感染状況の落ち着きなどを背景に前年同月比で8.8%増、3カ月連続のプラスとなった。年末年始の商戦が盛り上がりを見せた一方、ここにきて感染力の強いオミクロン株の浸透やまん延防止措置の拡大で「先行き不透明な状況に転じてきた」(同協会)という。

ここにきてのまん延防止等重点措置の対象拡大で、対応を迫られる飲食店も広がっている。串カツ田中ホールディングスは21日、1月19日の政府及び各自治体からのまん延防止等重点措置を踏まえて、直営店160店舗のうち、120店舗を午後9時までの時間短縮営業、自治体の要請により酒類の提供ができない3店舗は臨時休業とした。 感染拡大の状況や政府・自治体からの要請などにより、臨時休業の対象、休業期間、営業形態は変更される可能性があるとした。

鳥貴族 や英国風パブを展開する「HUB」、ロイヤルホスト、サイゼリヤなどもまん延防止措置適用に合わせて、営業時間の短縮などを相次いで発表している。

<1─3月期経済は足踏みの可能性>

野村総合研究所の木内登英・エグゼクティブ・エコノミストは、まん延防止措置の対象拡大などの影響で1─3月期の消費は2兆2560億円減少すると試算、GDP成長率は前期比年率6.5%程度押し下げられるとした。

「現時点で、1─3月期の日本経済はマイナス成長にならないとみているが、去年後半の回復と比べると足踏み状態になる可能性が高い」と同氏は予測する。「年末時点では、経済がコロナ前の水準に戻るのは1─3月期とみていたが、現時点では4─6月期か7─9月期に後ずれする可能性が高い」との見通しだ。

今後、まん延防止措置の期間が大きく延長される場合や緊急事態宣言が一部の地域に発令された場合、1─3月期の成長率が2四半期ぶりにマイナスに陥る可能性もあり得ると指摘する。

SMBC日興証券の丸山義正・チーフマーケットエコノミストは「人の動きが鈍り、サービス消費が落ちていくと認識している。個人消費は1─3月期はマイナスだろう」と指摘。もともと「GoToトラベル」の再開を前提にGDPは前期比年率プラス7.7%を見込んでいたが、プラス0.5%へ下方修正した。同氏は、経済がコロナ前の水準に戻るのは4─6月期と予測する。

みずほ証券の小林俊介・チーフエコノミストも、全国的にまん延防止措置が拡大し、「GoToトラベル」再開が難しい状況が続いたり、一部の地域で緊急事態宣言が適用される場合は、1─3月期の経済成長はゼロ近傍になる可能性を指摘。同期の景気は、「停滞を余儀なくされる可能性が極めて高い」とした。

<生産も下押しリスク>

生産への影響も不安材料だ。トヨタ自動車は24日、国内仕入先での新型コロナウイルス感染拡大による部品供給不足により、一部の国内完成車工場での稼働停止期間について25日、26日の2日間追加すると発表した。1月の生産への影響台数は約6万5000台に膨らむ。[nL4N2U42HM]

ホンダも三重県鈴鹿製作所の稼働率が2月上旬に約1割減になると発表している。

農林中金総合研究所の南武志・主席研究員は、自動車産業以外にも工場停止などが広がる可能性を指摘する。鉱工業生産の1月分予測指数は前月比プラス5.0%となっているが、マイナスになっても不思議ではないとの見解だ。

「まん延防止措置は消費にダメージを与えるが、まん延防止措置がなくても感染急拡大により濃厚接触者の隔離で企業活動にかなり負担がかかる」とみる。

経済官庁の高官は「1―3月期は感染症対策と社会経済活動の両立で景気を回復させるというシナリオだったが、オミクロン急拡大でリスクが顕在化してしまった」と語る。

政府は昨年12月、日本経済がコロナ前の水準を回復する時期を、21年中から21年度中に後ずれさせた。年明け以降のコロナ感染拡大の影響が長引けば、この見通しも不透明になる可能性がある。

金子かおり、取材協力:清水律子 編集:石田仁志

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