[東京 15日 ロイター] - 自民党の福田達夫総務会長は15日の会見で、日本は欧米のような金利引き上げが難しいため為替に影響が出る可能性があると指摘した。経済対策の必要性も言及し、ウクライナ情勢について3つ程度のシナリオを想定したうえで政策を準備するべきと強調した。
<スタグフレーションの可能性>
福田総務会長は、政府としては2022年度予算審議が継続中なため追加経済対策について現時点議論しにくいとの立場に理解を示しつつ、自民党としては準備をすべきとの認識を示した。
「去年から続く物価高や人手不足、資材不足がだいぶ深刻化しており、ウクライナ情勢で拍車がかかっている」と指摘。経済対策立案にあたっては「供給不足による、景気の足踏みや減速を想定する必要がある。需要不足に対しては政府が需要創造を行えばよいか、供給不足ではそうはいかない」とも述べた。
物価上昇により「スタグフレーションの可能性が出てくる」とも指摘した。「欧米は金利引き上げを行うが、日本ではなかなか(金利引き上げを)できる状況ではないため、(金利差拡大で円安など)為替に影響が出る可能性がある」とも述べた。
<ウクライナ情勢、3シナリオ必要>
ウクライナ情勢は先行き不透明だが「政治は予測をしないといけない」と指摘。ウクライナ情勢について3つ程度シナリオを想定し、「その上で政策パッケージを議論し始める時期」だと述べた。
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