July 5, 2018 / 5:40 AM / 5 months ago

アングル:日本企業がLNG調達先を拡充、米国偏向を是正へ

[ロンドン 4日 ロイター] - アジアの公益企業は、液化天然ガス(LNG)購入について大きく米国に偏っている状況を修正するため、欧州で提携や買収を活発化させている。

 7月4日、アジアの公益企業は、液化天然ガス(LNG)購入について大きく米国に偏っている状況を修正するため、欧州で提携や買収を活発化させている。写真は東京電力ホールディングスと中部電力が共同設立した火力発電会社「JERA(ジェラ)」のロゴ。都内で2017年7月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

直近では東京電力ホールディングス(9501.T)と中部電力(9502.T)が共同設立した火力発電会社「JERA(ジェラ)」が、フランス電力(EDF)(EDF.PA)とLNG取引事業を統合することに最終合意した。これまでには東京ガス(9531.T)や韓国ガス公社(036460.KS)なども欧州勢と事業協力に乗り出している。

アジア勢は過去6年間、米国から供給されるLNGの大半を確保しようと躍起になってきたが、欧州におけるこうした取り組みによって代替的な調達先を得られる。ジェラの場合は、EDFの子会社取得を通じてEDFが欧州に持つ15カ所のLNGターミナルを利用できる。

米国はなお建設中の案件を含めた5つのLNGプラントから年間6900万トンを輸出する計画を策定し、既に40%強をアジアに販売する契約を結んでいる。その大半は日本と韓国向けになる。

アジア勢が米国との取引に熱心なのは、比較的柔軟な条件の契約を結びたいことと、カタールなどのように石油と連動したコストの高い供給契約を避けようとする方針に起因する。

ただ足元では代替燃料の台頭、日本で言えば原発再稼働の可能性もあり、アジアのLNG需要拡大にブレーキがかかる可能性も出てきた。

オックスフォード・エネルギー研究所(OIES)のハワード・ロジャース上席研究員は「2020年代初めまで約定済みのLNG取引が膨らみ過ぎていることで、日本が契約の地域的な柔軟性拡大に力を注いでいる理由が恐らく説明できる。契約分を欧州とアジアのどちらにも販売できるように、LNG取引ポートフォリオの構築を進めれば、日本がLNGポジションを最適化する上で役立つ」と指摘した。

ジェラは欧州のターミナルを利用して、今後米国のLNGを欧州大陸に売ることが可能になる。欧州大陸は毎年5550億立方メートルの天然ガスを消費し、輸入先が一定しない消費地域との見方が強まりつつある。

<買い過ぎ感>

米国のシェール革命は、LNGが喉から手が出るほどほしかったアジアの消費国にとって取引のチャンスになった。特にそうだったのは、東日本大震災後に原発の稼働を停止し、石油と連動するLNGの購入コスト高騰にも見舞われていた日本だった。

日本の公益企業は、輸出計画を支えるための投資資金を必要としていた米東海岸の生産者と20年にわたるLNG輸入契約を締結しようと必死になった。米国の生産者が設定した価格には、原油価格が過去最高値にあったにもかかわらず、石油と連動していない点などの魅力があったのだ。

ただ日本側も、ふと気づいてみると買い過ぎたかもしないと思い始めた。政府の政策も再生可能エネルギーの普及促進や販売自由化方向に転換し、LNG需要に水が差されかねない事態になっている。

国際エネルギー機関(IEA)の試算では、日本の発電用ガス消費量は2023年までに17%減って1000億立方メートルとなる見通し。これは原発再稼働や再生可能エネルギー分野が年5%で成長すると想定されるためだ。

(Sabina Zawadzki、Oleg Vukmanovic記者)

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