[東京 30日 ロイター] - 経済産業省が30日発表した5月鉱工業生産指数速報は前月比5.9%低下の94.1となり3カ月ぶりに減少した。ロイターの事前予測調査の同2.4%低下を下回り、新型コロナ拡大で急減した昨年5月以来の回復基調が一服した格好だ。自動車が半導体不足で前月比19.4%と大幅な減産となり指数を下押しした。半導体製造装置などの生産用機械、電気・通信機械なども低下した。
<4-6月はプラス確保見通しも半導体不足で下振れリスク>
業種別では半導体・フラットパネル製造装置や金属加工機械などの生産用機械が前月比5.9%減、電気・情報通信機械が4.5%減。一方、航空機部品やプラスチックなどは増加した。
企業の生産計画をもとにした生産予測は6月が前月比9.1%上昇、7月は同1.4%低下となった。
同予測の上振れ傾向を補正した試算値では6月は前月比5.4%上昇となっている。基調判断は「持ち直している」で据え置いた。
6月の生産水準が前月比5.4%上昇と仮定すれば、「4-6月期の生産水準は1-3月実績を上回る可能性がある」(経産省幹部)。自動車や半導体製造装置などの増産が予定されている。
もっとも6、7月の生産予測には「足元の半導体不足を十分反映していない可能性があり下振れリスクはある」(同幹部)という。
*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。
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