[東京 17日 ロイター] - 政府が18日に閣議決定する成長戦略の全容が判明した。看板政策に掲げる脱炭素社会の実現では、最終案に「カーボンニュートラルは電化社会が前提」と追記し、「世界のグリーン産業をけん引し、経済と環境の好循環を作り出す」との考えを打ち出す。特別買収目的会社「SPAC」の解禁方針は原案通り明記した。
2050年の脱炭素化を念頭に、産業構造の転換を支援する。最終案では「再生可能エネルギーを最大限活かすためには電力ネットワークのデジタル制御が重要」と指摘。自動車やドローン、航空機、鉄道などの自動走行がデジタル制御となっていることを例に、「環境関連分野のデジタル化により、効率的、効果的にグリーン化を進めていく」と強調する。
働き方改革では、2019年4月から順次施行された関連法で時間外労働の削減などを主眼に置いた「フェーズ1」から、付加価値の高い働き方に移行する「フェーズ2」への推進を加えた。
デジタル人材の育成を巡って「地方自治体のデジタル化を推進するため、地方自治体間の人材の共有も含め、デジタル人材の育成・確保を図る」との考えも新たに明記する。複数の政府筋が明らかにした。
産業、金融業界が今夏をめどに策定する自主行動計画で5年後の約束手形の利用廃止に向けた取り組みを確認すると同時に、「下請け代金の支払いにかかる約束手形の支払いサイトについて60日以内への短縮化を推進する」とし、小切手の全面的な電子化を促す。
グリーン、デジタルとともに重要戦略分野に位置付けるライフサイエンス分野では、革新的新薬を創出する環境を整備するため、「臨床研究法に基づく研究手続きの合理化に向けた法改正を含めた検討」を行う。「漢方について製薬の国内生産、国内産業の競争力強化に資する国際標準化を推進する」との考えも追加した。
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