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2月ロイター企業調査:副業・兼業に課題多く、実施2割強 本業影響で懸念も

 政府が働き方改革の一環として推進している会社員の副業・兼業が広がりを欠いている。2月のロイター企業調査によると、認めている企業は23%と2年前の2021年4月調査の15%から増えたものの、増加ペースは緩やかだ。2017年2月、都内で撮影(2023年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 24日 ロイター] - 政府が働き方改革の一環として推進している会社員の副業・兼業が広がりを欠いている。2月のロイター企業調査によると、認めている企業は23%と2年前の2021年4月調査の15%から増えたものの、増加ペースは緩やかだ。また、制度がある企業でも、実際に副業・兼業している社員は10%未満にとどまった。本業への影響を不安視する声や社内情報の流出懸念などが聞かれた。

調査期間は2月8日から2月17日。発送社数は493、回答社数は238だった。

副業・兼業を認めている企業は23%、導入を検討中とした企業は10%で計33%となった。21年4月調査では、認めている企業は15%、導入を検討中とした企業は5%で計20%だった。

前向きな企業からは「多様な働き方の提供」(54%)、「社員の自由なキャリア形成」(53%)、「社員の収入増」(46%)などの理由が上がった。

一方、認めている企業でも、どの程度の社員が副業・兼業をしているか聞いたところ、10%未満が94%と大勢を占めた。制度が用意されていても、実際には広がっていると判断できるには至っていない。

また、制度自体がない企業の間では、本業へ支障が出ることや長時間労働への懸念が根強い。「安全操業を第一とする製造業では、安易に副業を認めにくい」(化学)、「円滑な労働移動を推進目的とする主旨は理解するが、労働政策は従来のままであり、企業には制度を導入し難い」(鉄鋼)という。

さらには、「社内情報の流出」(機械)、「人事上の手続きが煩雑」(小売)などの問題点も指摘されている。

一度退職した社員を再度雇用する「アルムナイ制度」に関しては、積極的に実施している企業は11%、希望があれば実施している企業が63%だった。

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