[東京 28日 ロイター] - 三菱電機6503.Tが28日発表した2017年3月期連結業績予想(米国会計基準)は、売上高が前年比2.6%減の4兆2800億円、営業利益が同13.7%減の2600億円と、減収減益となる見通しだ。前期に比べ円高水準にある為替レートが収益を圧迫する。
会見した三菱電機6503.Tの松山彰宏専務は「一番の要因は為替変動による悪化だ」と述べ、売上高で1300億円、営業利益で500億円の押し下げ要因になることを明らかにした。前提為替レートは1ドル105円(前期121円)、1ユーロ120円同(同133円)。
会社の営業利益予想は、トムソンロイターがまとめたアナリスト19人の予測平均値3158億円を大きく下回っている。
熊本地震の影響で一部操業を停止している工場の影響については、業績予想に織り込み済みという。
三菱自動車7211.Tの燃費データ改ざん問題の影響に関しては「報道で知っている限りなので業績予想には反映していないが、自動車機器ではトップグループの顧客なので何らかの影響が出てくる」との見通しを示した。
2016年3月期は売上高が前年比1.6%増の4兆3943億円、営業利益が同5.2%減の3011億円だった。重電システムで電力・公共案件の採算悪化や電子デバイスの不振が響き、3期ぶりの営業減益となった。
松山専務は中国の足元の状況について「エアコンの過剰在庫は少しずつ解消してきているが、まだその影響が残っている」と指摘。エレベーターについても「不動産の過剰在庫があり、エアコン在庫よりも(解消に)もう少し時間がかかる」と慎重な見方を示したが、下期にかけては「徐々にエアコン在庫がはけてくると、全般に緩やかに回復してくるのではないか」との見通しを示した。
志田義寧 編集:山川薫
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