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五輪組織委の森会長、「女性が」発言で引責辞任 後任選び混迷

[東京 12日 ロイター] - 女性蔑視発言で批判を浴びた東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は12日、責任を取って辞任すると表明した。後任として調整が進んでいた日本サッカー協会の川淵三郎元会長は辞退。新型コロナウイルスの感染拡大で7月の開催に不透明感が強まる中、組織委は検討委員会を設置して人選を急ぐ。候補者には橋本聖子五輪担当相の名前が浮上している。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は12日、女性蔑視発言で批判を浴びたことを受け、責任を取って同日付で辞任すると表明した。組織委は検討委員会を設置して人選を急ぐ。写真は4日の記者会見(2021年 代表撮影)

<「本当に情けない」>

森氏は12日午後、組織委の理事会・評議員会合同懇談会であいさつし、同日付で辞任することを明らかにした。「私の不適切な発言が原因で大変混乱し、理事・評議員の皆さんに大変ご迷惑おかけして申し訳ない」と陳謝した。

前日に武藤敏郎事務総長と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長、コーツ調整委員長と約1時間にわたって電話会談を行ったことを明らかにし、「バッハ会長から大変ねぎらいの言葉をいただき、よくここまでしっかりやってくれた、と大変称賛もいただいた」と述べた。その上で「私がいるかぎりご迷惑をかけるということになったのでは、今までやってきた努力が全く無になってしまう」とした。

発言が女性蔑視と批判されたことについては「私自身の不注意もあったかもしれないが、長い83年の歴史の中で本当に情けないことを言った」と反省の弁を口にした。一方で、組織委員会では「男性よりも余計女性に発言してもらうよう絶えず進めてきた」とし、女性を蔑視する気持ちはないと語った。

森氏の辞任表明後、IOCのバッハ会長は「安全かつ確実な東京五輪の実施に向け組織委後任会長と引き続き協力していく」との談話を発表。国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長は「この7日間の国内外の反応が、社会が多様性に注力するきっかけになることを望んでいる」との談話を出した。

<会長後任人事をめぐり報道が錯綜>

合同会議後に会見した組織委の武藤敏郎事務総長は、後任選びに向けて委員会を設置することを明らかにした。開会式が約5カ月後に迫る中、五輪・パラリンピックに何らかの経験があること、ジェンダーの平等や多様性などについて高い認識を持っていることが必要だとした。

森氏の会長後任人事を巡っては、日本サッカー協会の川淵元会長で調整が進んでいた。川淵氏も、選ばれたら「べストを尽くす」などと記者団に語るなど前向きだったが、武藤氏によると、川淵氏は辞退した。武藤氏は、川淵氏を後任会長に充てる案は関係者の間で了解していなかったし、組織委の中でも議論していないと語った。

FNNオンラインは、森会長の後任に川淵氏を起用する案について、政府が白紙とするよう組織委員会に働きかける検討に入ったと伝えていた。国民の間に反発する声があることを踏まえたもので、政府の意思が尊重される場合、川淵氏の会長起用は見送られ、女性を会長とすることも含め検討される見通しとしていた。

共同通信などは、橋本五輪担当相が後任候補として浮上していると報じている。

橋本氏は12日夕、記者団に対し、「後任は組織委員会の選考委員会で選ばれる」とだけ発言。そのうえで「政府として注視する」と述べた。

五輪の開催都市である東京都の小池百合子知事は同日午後の会見で、「世界から注目を集めているのは、今後の会長職がどう決まっていくのか、そして誰なのかだと思う」と発言。「どのような決め方にしていくのか、手続きの透明性なども世界が見ている」と語った。加藤勝信官房長官も12日午前の会見で、透明性ある形で対応すべきとの認識を示した。

<スポンサー企業からも苦言>

森会長は3日に開かれた日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で、「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」などと発言して波紋を呼んだ。翌日に撤回、謝罪したものの、批判が収まる気配はなく、いったん幕引きを図ろうとした国際オリンピック委員会(IOC)は9日、「(発言は)完全に不適切であり、IOCの誓約に反している」と改めて声明を出した。

森氏の発言で五輪ボランティアの辞退者が相次ぎ、トヨタ自動車や日本生命などスポンサー企業からも厳しい意見が出ていた。

森氏の会長辞任を受け、アサヒグループホールディングスの勝木敦志専務は「大会を盛り上げ、成功してもらうために支援を惜しまない立場。森氏の騒動が忘れられるぐらい大成功の大会にしていくのが我々の使命」と発言。NTTは「新会長のリーダーシップにより、国内外の信頼を獲得し、東京2020大会を成功に導いてもらうことを期待している」とのコメントを発表した。

*内容を追加しました。

宮崎亜巳、竹本能文

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