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インタビュー:東京五輪は無観客に、政府の対応「二重基準」=山口JOC理事

 6月11日、日本オリンピック委員会(JOC)の理事で、東京五輪についてこれまで開催のリスクを指摘してきた元オリンピアン、山口香氏は11日、ロイターのインタビューに応じ、東京大会は「国民の安心感を考えたら、無観客のほうがいい」と語った。写真は国立競技場(2021年 ロイター/Pawel Kopczynski)

[東京 11日 ロイター] - 日本オリンピック委員会(JOC)の理事で、東京五輪についてこれまで開催のリスクを指摘してきた元オリンピアン、山口香氏は11日、ロイターのインタビューに応じ、東京大会は「国民の安心感を考えたら、無観客のほうがいい」と語った。

政府の対応に関しては、国民が安心安全と考えられるような説明をしきれていない、と批判。飲酒や外出の自粛を要請しながら一方でオリンピックを楽しんでほしいとする意図が見え「そのダブルスタンダードに国民が混乱している」と話した。

同氏は、日本の新型コロナウイルス感染の状況は、ようやくピークアウトしたところで、「ここで日本中の人たちが動くということになると、また感染が広がる不安がみんなにある」とし、無観客での開催が望ましい、との考えを示した。

ただ、同氏は、実際には、観客を入れる形で開催されるだろうと予想した。

報道各社の世論調査では、依然として国民の半分がオリンピックの中止や延期を望んでいる。

政府がいま伝えるべきメッセージについては、大会を開催するとしても最低限、競技会として成り立つものにとどめ、「まだコロナから脱出したわけではない。危険と隣り合わせにいる」と伝えたうえで、国民に協力をお願いするべきだと語った。

ソウル五輪女子柔道銅メダリストで世界大会を何度も制覇した柔道家である同氏は、現在のコロナ感染の状況について「試合でも勝てると思った時が一番危ない。だいたいそういう時にやられる。だから今、油断してはいけない」と話した。

JOCの理事が開催運営に批判的な発言をすることに周囲から圧力はないかとの質問に山口氏は、「私はJOCの理事だから発言するべきだと思う」と答えた。五輪に関する議論でスポーツ界の人の顔が見えないことは良くないと指摘。反対の意見があれば表に出して議論することが重要だとした。

現在、筑波大学で教鞭を取る山口氏は、こうした議論を避ける風潮が日本では特にみられ、それは変える必要があるという。「若い人たちが自分の意見を言えるような環境を作っていくのが自分の仕事だと思っている」と語った。

宮崎亜巳、Antoni Slodkowski

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