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アングル:株安「静観」の政権、波乱継続なら参院選前に対応議論も

[東京 2日 ロイター] - 年初来の大幅な株安について、政府は米国の金利上昇が主な要因とみて、これまでのところ表向き静観の姿勢を崩していない。ここにきて株安は一服しているが、インフレ懸念もある中での対応策には限界もある。株安傾向が続くなど不安定な状況が長引けば、7月の参議院選挙に向けて、経済対策などの議論が浮上する可能性がある。

 2月2日、年初来の大幅な株安について、政府は米国の金利上昇が主な要因とみて、これまでのところ表向き静観の姿勢を崩していない。ここにきて株安は一服しているが、インフレ懸念もある中での対応策には限界もある。写真は2021年12月、首相官邸で記者会見する岸田首相。代表撮影(2022年 ロイター)

<米利上げに起因>

岸田文雄首相は就任以来、新しい資本主義を標榜するなかで、企業の四半期開示を見直す方針を示し、自社株買い規制にも前向きととられる発言をしてきた。1月25日の衆院予算委員会では「株主資本主義からの転換は重要な考え方の一つであると認識している」と発言している。

こうした発言や、年初からの株安局面での政府の対応について、市場では株価の動向を重視してないのではないかとの見方がある。

菅前政権下では、市場が大きく動いた際に財務省、金融庁、日銀による3者会合の開催がアナウンスされ、市場の動きをけん制する効果もあった。

現時点では表向き、同様の発信は行われていない。

これに対し「政権は当然株安を気にしている」とある与党関係者は指摘する。ただ、「株安は米利上げ(観測)に原因があり首相の責任ではない」との見方から、「しばらくは静観」と解説する。

首相に近い政府関係者も「現時点では様子見だ」とする。

<株安進めば対応も>

インフレ懸念がある中で、政策の選択肢が限られているとの見方もある。日銀の金融緩和強化と財政出動は、株安に効果的な処方箋の一つになり得るが、「今はインフレが懸念材料で、金融緩和の強化が取りにくい」(上述の与党関係者)。金融緩和は円安につながり、インフレを加速させるリスクもある。

通常国会で来年度予算案の審議が行われており、財政出動の議論も足元ではできない状況だ。

ただ、前述の政府関係者は「さらに株安が進めば、何らかの対応策を検討することになるだろう」と話す。

経産省幹部も「オミクロン株の感染一巡を睨み、7月の参院選に向けて、経済対策を打ち出す可能性も含め、議論になるだろう」と指摘する

<株主至上主義の修正>

岸田政権の経済政策運営については与党内からも不安の声が出ている。「株安が進んでいるのは岸田政権に成長戦略がないから」と菅政権時の官邸関係者は指摘する。規制改革が不在なため、海外投資家などから魅力が見えにくいとの見方だ。

野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「安倍政権は株価上昇で政権浮揚を目指した。しかし株価が上昇しても一部の投資家が利益を得るだけで、岸田政権は、より幅広いステークホルダーに貢献する政策で、株主至上主義を修正する政権。それはそれで良いのでないか」と評価する。

自民党の政務調査会の調査役を長年務めた政治評論家の田村重信氏は「株安は岸田さんの責任ではない」とし、「株価下落は内閣支持率に影響が少ない」と断言する。

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