December 25, 2018 / 2:30 AM / 24 days ago

日本株が1000円超える大幅下落、円高も進行:識者はこうみる

[東京 25日 ロイター] - 連休明けの東京市場は、株安・円高・金利低下のリスクオフが大きく進んだ。日経平均の下げ幅は1000円を超え、1万9100円台まで下落して1年8カ月ぶり安値を付け、為替市場では円高が進み、日経平均の引けにかけて心理的節目の110円ちょうどまで下落した。

 12月25日、東京株式市場では25日、米国株の急落を嫌気したリスク回避が先行し、日経平均の下げ幅は一時1000円を超え、1万9100円台まで下落した。写真は都内で2015年撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

景気や企業業績の減速懸念だけでなく、海外の政治リスクが投資家のマインドを冷え込ませている。株価などの下落スピードが速いだけに、ポジティブ材料が出た場合に短期的な揺り戻しが起きる可能性もあるが、市場心理が大きく悲観に傾いている中では、反発力は鈍いとの指摘も少なくない。

市場参加者のコメントは以下の通り。

●悲観的心理が支配、米政府機関閉鎖では妥協も

<大和証券 チーフグローバルストラテジスト 壁谷洋和氏>

米政府機関の一部閉鎖の問題は、年明け以降に持ち越しになりそうだ。支持率を失うような抵抗をみせるのは米大統領にとっても得策ではない。マーケットはすでに影響を受けている。つなぎ予算を発動する形で決着するとみられ、問題がさらに長期化するとは考えにくい。

パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長やムニューシン米財務長官の解任検討を巡る報道も出ているが、正式な話ではない。よくあるトランプ米大統領の不規則発言の範疇だ。真剣に受け止める必要はないとみている。

12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では極端にタカ派的な見方が示された訳ではない。マーケットはハト派的な意見を望んでいたが、当局は段階的な利上げが望ましいといってきていた立場だ。これを急に変更するのは難しい。来年3回の利上げ見通しが2回に減っただけでも上出来とみなすべきだろう。

日経平均は1万9000円が心理的な節目となる。今後の米国株次第のところもあるが、年内は下値を見定める展開が続くだろう。十分に悲観的な心理が市場に行き渡っている。1万8000円台までの下落はスピードとしても早いが、年末のため市場参加者は限られており、買いを入れる動きが現れるのは年明け以降になる可能性がある。

●1万9000円割り込めば一段の下値模索も

<アセットマネジメントOne 運用本部ファンドマネジャー 鴨下健氏>

連休明けの東京株式市場で日経平均が一時900円を超える下げとなっている。前日の米国株市場の大幅続落を踏まえればやむを得ない部分があるものの、想定以上に下げが厳しい。

これまで過去2年ほど出来高ができている1万9000円付近でいったん下げ止まるとみていたが、そこを割り込んだ場合は向こう3カ月の下値めどを1万7000円程度まで引き下げる検討をしなければならない。

米国の景気減速懸念が拭いきれない中、来年1月も厳しい状況が続くだろうが、売りが一巡した後は戻りを試す可能性もある。引き続き米中の通商問題の動向が注目で、現段階で「融和はない」というのが市場のコンセンサスだけに、中国が米国の要求を受け入れる流れになると「休戦」ムードを好感して反発する公算が大きい。

もう一つの注目は、米国のインフラ投資政策がいつ、どのように出てくるか。一般的には米大統領選を見据えて、来年のどこかで出てくるとみられている。これをメインシナリオにはしていないが、1月末に予定されているトランプ大統領の予算教書で何かしらのコメントがあれば反発のきっかけになりそうだ。

現在100日移動平均線が2万2300円台、200日移動平均線が2万2200円台にあるが、これらが徐々に下がってくる。今のところ、向こう3カ月の上値めどは2万2000円とみている。

●米国巡る政治リスクの高まりで108円台の円高も

<FXプライムbyGMO 常務取締役 上田眞理人氏>

最近のVIX(恐怖指数)の急騰からも、米国を巡る政治リスクが金融市場で改めて意識されていることがわかる。

米連邦準備理事会(FRB)に対するトランプ大統領の攻撃やシリアからの米軍撤退に関するマティス国防長官との対立、FRBの金融政策に関するムニューシン財務長官とトランプ氏の不協和音、議会との対立がもたらした米政府機関閉鎖など挙げればきりがないが、米政権はこうした政治的混乱の危険度を十分に認識していないようだ。

一方、金融市場は政治リスクを明確に意識しており、それがVIX指数の高騰、株価の急落や債券利回りの低下につながっている。

政治リスクの高まりから景気のピークが前倒しされ、結果として、FRBが追加利上げを実施できない事態に陥るかもしれないが、それは米国にとって決して良いことではない。

さらに米国の政治の混乱は、フランスやドイツなど欧州基軸国の政治的不安定、中国の景気減速などと連動し、グローバルに政治的な悪循環をもたらしている。

ドル/円は、つい最近まで日米株安に反応が鈍く、米国先物市場では円ショートが増えていた。

しかし、足元ではドルがサポートとみられていた110.80円をあっさりと割り込むなど、やっとリスク回避の円買いが広がりつつあるという印象だ。

110円を割り込めば、投機的な円売りの撒き戻しや、売り遅れている実需の参入、直接投資や証券投資にからむロングポジションの円買いヘッジなどが流入するとみられ、早ければ年内にも108円台まで一気に円高が進む可能性があるとみている。

●CTAがショート積み上げ、2万円遠のく

<野村証券 クロスアセット・ストラテジスト 高田将成氏>

リーマン・ショック時ほどではないが、ヘッジファンドのパフォーマンスが過去最悪に近い。ファンダメンタルズやバリュエーションに関係なく、先進国株のポジションを年内に落とす動きが加速している。投機筋の逆張り的な押し目買いが著しく抑制されているほか、あえてダウンサイドを狙うトレードも一部のファンドで始まっている。トレンド追従型のCTA(商品投資顧問)が代表的なところだが、S&P500で2500、日経平均で2万1000円を下回った水準から、彼らはショート・ポジションを積み上げるモードに転換している。

ショートを積み上げた矢先であるので、今後は株安が進行すれば売りが出るリスクがある。1カ月程度は淡々とショートが積み上がってくる傾向があるため、しばらくは下攻めの圧力が掛かりそうだ。年明けに株価が下げすぎたところで、中長期の投資家やファンダメンタルズで動くプレーヤーの逆張り的な買いが入るかがポイントになるだろう。どこまで下に引っ張られるかは不透明だが、向こう1カ月は日経平均に関しては2万円が遠のいていくイメージがある。この先は心理的な節目が影響する地合いとなりそうだ。1万9000円での攻防が目先は続く可能性がある。

*情報を更新しました。

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