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ロイター企業調査:3%の賃上げ要請、7割が「非現実的」 
2017年12月8日 / 02:36 / 3日前

ロイター企業調査:3%の賃上げ要請、7割が「非現実的」 

[東京 8日 ロイター] - 12月ロイター企業調査で、来春闘で政府が企業に対して要望している3%賃上げの実現性について尋ねたところ、「現実的ではない」との回答が68%を占めた。

 12月8日、12月ロイター企業調査で、来春闘で政府が企業に対して要望している3%賃上げの実現性について尋ねたところ、「現実的ではない」との回答が68%を占めた。写真は都内で2016年1月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

賃上げ企業に対する法人税引き下げ制度も、利用する意向を示したのは半数にとどまった。企業は賃上げ減税が一時的とみており、恒久的な人件費増加による固定費増は避けたいとの意向が強い。

この調査は、資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に11月21日─12月4日に実施。回答社数は230社程度。

デフレ脱却を目指す安倍晋三首相は、企業に対し、来春闘で3%(ベア、定期昇給、ボーナス、手当てを含むベース)を求めている。これに対して、企業からは実現は難しいとの反応の方が多かった。

「あまり現実的ではない」が61%、「全くの論外」が7%で、合わせて68%が否定的な見方を示した。

「利益の増加幅が3%未満であれば実現は難しい」(運輸)というように、利益と物価に連動した賃上げが基本だからだ。「一律の賃上げを求めるのはどうかと思う」(電機)など、賃上げこそ個々の企業の判断に任せるべきとの主張が目立つ。

人手不足を背景に、企業は来春闘では高めの賃上げにより人材確保に動くとの見方もある中、「求人難から初任給の引き上げ、これに伴う全体の底上げは実施せざるを得ない」(建設)という声も、確かに一部業種で増えている。しかし「日用品などで値下げのムードもある中で3%は高すぎる」(サービス)との声もある。

一方で総額での3%の賃上げなら「十分現実的」「ある程度現実的」との回答も31%を占めた。ただし、「足元の業績向上で、給与でなくボーナスで従業員還元は可能」(電機)、「賞与が業績連動なので何もしなくても3%程度は反映される」(卸売)など、今年度の好業績を一時的に分配するとの回答が目立つ。

これまで実施されてきた賃上げ企業への税優遇制度を利用したことがある企業は19%にとどまっている。政府は、来年度3%の賃上げ実施企業については、さらに減税幅を拡大する方向で調整中だが、当該制度を「利用したい」との企業は49%、「利用しない」の51%とほぼ半々となった。

企業からは「減税幅によるが、やはりその絶対額は魅力」(サービス)など活用検討に前向きの声もある。

しかし「その前に3%賃上げの実現が無理」(化学)といった企業も目立つ。というのも、「賃上げは恒久的に業績に影響する。減税が恒久的であるはずがない」(食品)、「人件費増による長期的な収益インパクトが、税の優遇よりもデメリットが大きい」(小売)など、企業にとっては中長期的にはかえってコスト増となることが意識されている。

中川泉  編集:青山敦子

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