August 1, 2018 / 6:38 AM / 2 months ago

インタビュー:日米協議、FTA予備協議にあらず=官房副長官

[東京 1日 ロイター] - 西村康稔官房副長官は、来週から始まる日米通商協議について、米国側が求めている自由貿易協定(FTA)の予備協議との見方を否定し、日本はFTAを望んでいないと述べた。

 8月1日、西村康稔官房副長官は、来週から始まる日米通商協議について、米国側が求めている自由貿易協定(FTA)の予備協議との見方を否定し、日本はFTAを望んでいないと述べた。写真は横浜で昨年5月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

ロイターとのインタビューに答え、米国が自動車輸入に関税を賦課するための調査を実施中であることについて、日本としては自動車関税を回避するよう議論していく方針を示したうえで、輸出入において何らかの数値目標を設定することはないと断言した。

トランプ大統領が求める「ディール」にどう対処していくかは通商協議の進展次第としながらも、エネルギー輸入と対米直接投資の分野では米国との関係は強化されていくとの見方を示し、事実上の「切り札」になるとの見方を示唆した。

また日朝首脳会談の実現については、全く見通しが立っていないとし、首脳会談をやるからには拉致問題の解決が見通せないといけない、との考え方を示した。

詳細は以下の通り。

──日米通商交渉が来週から始まるが、日本はどのような方針で臨むのか。

「日本の立場は、自由・公正な貿易を発展させていくということ。TPPへの米国の復帰を求めているのも従来通りだ」

「米側はバイラテラルな色々な関係を築きたいと言っているが、どういう形がいいのか日米でこれから議論していくところだ」

──米国は二国間の貿易協議を求めているが、自由貿易協定(FTA)を望んでいるのではないか。

「日本はFTAを望んでいないし、この協議が日米FTAの予備協議ということは全くない」

「もう一つ言うと、トランプ大統領の口から一度もFTAと言う言葉は聞いていない。いつも大統領が口にしているディールというのは、防衛装備品の輸入なども含めて大きな枠組みの中でディールしようじゃないかということ。どういう道がいいのか、これから協議をしていくことだ」

「我々としてはTPPに戻ってもらえるのが一番早い話だが、米国側では政治的な話もあり、そう簡単ではないと思う」

──牛肉の関税引き下げや、自動車への関税賦課など、日本にとって厳しい要求内容が取りざたされているが、そのようにもっていかないように交渉していく方針か。

「自動車については既に米公聴会に意見書を出しているように、米国自身にとっても経済にとってマイナスの影響があるし、世界全体にも影響が出ることを説明していきたい。牛肉についてはTPPに米国が復帰してくれれば、関税も下げられる。それが一番早い道だと思う」

──自動車に関しては、関税の代わりに自動車の数量割り当てや自主規制などはありえるのか。

「それはない。輸出についても輸入についても、数値目標を設けるということはない。基本は自由で公正な貿易を維持することだ。米国側からもそのような希望や要求はない。日米首脳会談でも、具体的な何をこうしてほしいということは無かった」

──米欧通商協議が合意した際、欧州は自動車の関税引き下げの余地があったが、日本は工業製品の関税はほぼゼロとなっている。日本にとってどのようなディールの提案ができるのか。

「日本からの米国工場への投資は非常に多いこと、LNG購入もこれから数年間で8倍増える見通しだ。防衛装備品も日本の安全保障のため必要なものはしっかり買っていく。そういったこと含めて欧州とは異なる材料もある」

「ただし、これらは基本的に民間ベースの内容でもあり、政府がコントロールできる部分でない。政府の枠組みを超えた話ではあるが、好調な米国市場への進出に積極的な日本企業の意欲をしっかりサポートして後押ししていきたい」

「またエネルギーもいまだに石油の9割方は中東依存なので、エネルギー全体として中東依存を減らしたい。安定的に購入できる同盟国である米国からの輸入というのも大事な点だと思っている。そういう意味では投資にしてもエネルギーにしても米国との関係はさらに強化されていくものと思っている」

──北朝鮮の最近の動きをどうみるか。非核化などは進展しているのか。進展しているなら、イージスアショアの設置などは、あえて地元の反対が強いなかで矛盾した動きではないか。

「ポンペオ長官を中心に米朝でいろいろな議論をしているので、われわれとしては これを着実に進展していくよう、是非サポートしていきたいと思うし、日米では頻繁に連絡を取り合いながら連携している」

「しかし現に北朝鮮はいまも数百発のミサイルをもっているわけで、日本としては万全の体制で、国民の生命、財産を守っていくため、しっかり取り組んでいきたい」

──日朝会談の実現への見通しはどうか。

「全く決まっていない。拉致問題が見通せる形にならないと、それは出来ない。そう簡単でないと思うが、引き続き色々なレベル、色々なルートを通じて、北朝鮮と向き合いながら、是非解決に向けて進んでいきたい」

中川泉 Linda Sieg 竹本能文 編集:  

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