September 19, 2019 / 9:58 AM / 25 days ago

アングル:中銀イベント通過で円債金利低下、「待機資金」の流入期待も

[東京 19日 ロイター] - 日米の中銀会合を経て、円債金利は再び低下方向の動きを強めている。米中対立の緩和期待で金融市場全体のリスク選好度は依然強いものの、イベント通過で「待機資金」が債券に流入するとの期待があるためだ。海外勢の回帰だけでなく、国内勢も国債償還資金など豊富な資金を向ける可能性があると指摘されている。

 9月18日、日米の中銀会合を経て、円債金利は再び低下方向の動きを強めている。写真は1万円札。2017年6月撮影(2019年 ロイター/Thomas White)

<海外勢の回帰>

19日の日銀会合では政策の現状維持が決定されたにもかかわらず、金利は急速に低下した。市場の一部に「マイナス金利の深掘りや、超長期金利のスティープ化策への思惑があった」(国内証券)ためで、一過性の要因のようだ。

しかし、マーケットでは需給面から、金利低下圧力が今後も強まるとの見方が多い。

野村証券のシニア金利ストラテジスト、中島武信氏は、いったん収まっていた海外勢による円債投資が再び強まるとの見方を示す。

海外勢は、為替スワップによる上乗せ金利を使うことで、マイナス金利の日本国債でも米国債よりも高い利回りを得ることができるが、米金利上昇局面では、米国債投資の魅力が増す。だが、ここにきて米金利上昇も一服してきた。

中島氏は「海外勢は9月に入り、超長期ゾーンの円金利スワップを受けているとみられ、買い目線にある」と指摘。足元で、ドルから円に転換した日本国債の30年債利回りは、米30年債利回りや独30年利回りを上回っており、米国の生保や年金勢による円債投資も増えてくると予想している。

実際、財務省が19日に公表した対外及び対内証券売買契約等の状況によると、海外勢は9月1日─7日に中長期債を4411億円、短期債を6444億円買い越している。中長期債は8月4─10日の5455億円以来の買い越し規模だ。

<規制に備える国内生保>

これまで様子見姿勢を強めていた国内勢の動きにも変化が見られそうだ。20日には12兆円超と推計される国債大量償還等の資金還流があり、再投資の動きが期待される。

また、大きなイベントを通過したこともあり「国内生保の押し目買いが入りやすい」(外資系証券)との指摘もある。それには、2025年から適用開始が予定されている国際資本基準(ICS)に伴い、日本でも経済価値ベースのソルベンシー規制が導入されるとみられていることが背景にある。

規制導入に備えて、生保の一部では劣後債の発行や内部留保の増加など資本を積み増す動きが本格化してきている。また、資産と負債のデュレーション・ギャップを縮小するため、残存期間が短い債券を売り、20年や30年の超長期債に資金を入れ替える動きも出ている。

「経済済価値ベースの資本規制の導入を考えると、各生保はリスクを軽減するために、金利水準が目線に合わなくても、今のタイミングで資産の入れ替えを行うか、債券を買うしかない」(大手生保)という。

現在の金利水準で資産と負債のデュレーションを埋めるのは難しいものの、ヘッジコストの高さから外債投資では十分な収益が出ない。社債への投資では、利回りを確保できるものの、デュレーションは埋められない。

消去法的ではあるが、超長期ゾーンの円債投資が選好される理由だ。

坂口茉莉子 グラフ作成:田中志保 編集:石田仁志

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