September 7, 2018 / 7:54 AM / 11 days ago

焦点:JDドットコム、CEO拘束で「権限集中リスク」露呈

[香港/上海 6日 ロイター] - 中国の電子商取引(EC)大手、京東商城(JDドットコム)(JD.O)は、劉強東・最高経営責任者(CEO)が米警察に身柄を一時拘束された事件により、株価が打撃を受けた。権限が劉氏に極端に集中し、対抗馬が不在という経営面のリスクが露わになったからだ。

 9月6日、中国の電子商取引大手、京東商城(JDドットコム)は、劉強東CEO(写真)が米警察に身柄を一時拘束された事件により、極端な権限集中という経営面のリスクを露呈した。2017年、香港で撮影(2018年 ロイター/Bobby Yip)

8月31日夜に米ミネソタ州ミネアポリスで身柄を拘束され、16時間後に釈放された劉氏は、弁護士を通じて容疑を否認。警察当局は捜査を継続しているものの、劉氏の弁護士は起訴されることはないとの見通しを示した。

ミネソタ州の法律によると、性的暴行(第1級)で有罪となった場合の刑期は最長30年、最短12年。

中国のハイテク企業は幹部が強い権限を持ち、企業統治面でリスクが大きい。中でもJDドットコムにおける劉氏の力は際立つ。社内規定により、取締役会は劉氏がいなければ事実上決定が下せず、権限の集中は行き過ぎと問題視する声がある。

広報サービスを手掛けるAPCOワールドワイドのマネジングディレクター、ジェームズ・ロビンソン氏は「JDドットコムには歴然とした社内階層があり、劉氏に盾突こうという意欲は薄く、集団的な経営の側面が弱い」と指摘。劉氏の身柄拘束を巡ってJDドットコムの広報部門の説明が後手に回ったのもこうした体質が原因との見方を示した。

 9月6日、中国の電子商取引大手、京東商城(JDドットコム)は、劉強東CEO(写真)が米警察に身柄を一時拘束された事件により、極端な権限集中という経営面のリスクを露呈した。上海で6月撮影(2018年 ロイター/Aly Song)

JDドットコムは顧客離れの懸念もあり、劉氏の身柄拘束後の2日間で時価総額が72億ドル、16%相当吹き飛んだ。

創業者の劉氏はJDドットコムの約16%の株式を保有するが、議決権は80%近くを握る。またJDドットコムの社内規定では、劉氏が取締役メンバーである限り、取締役会は劉氏の参加なしには決定できない。劉氏の取締役会への参加方法は、会合への出席でも電話会議でも構わず、劉氏の出席なしに取締役会が判断を下せるのは劉氏の許可がある場合か劉氏が病気の場合に限定されている。「本人の意思に反して身柄を拘束されている場合」は明確に除外されており、刑務所に収監中でも権限を維持することが可能だ。

アジア企業統治協会のジェイミー・アレン事務総長は「このような規定を持つ企業は他には考えられない。不可解だ。劉氏は既に大量の議決権を所有しており、創業者でもある。取締役会が劉氏不在で決断を下すとは思えず、この規定がどうして必要なのか分からない」と述べた。

JDドットコムについては、劉氏がトップを続けられなくなった場合に、経営を引き継ぐ最も有力な後継候補が判然としないとの批判も聞かれる。

APS・アセット・マネジメントの創業者兼最高投資責任者(CIO)のウォン・コク・ホイ氏は「社内をどこ見渡しても劉氏の息がかかっている。経営幹部をみても誰がナンバー2か定かでない、一体ナンバー2はこの人物だと名指しできるだろうか」と疑問を投じた。

主力のメール事業を担当し、2011年から最高執行責任者(COO)を務めていた沈皓瑜氏は16年に退職し、その後COO職は空席となっている。

(Jennifer Hughes記者、Adam Jourdan記者)

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