[東京 15日 ロイター] - JFEホールディングス(5411.T)の林田英治社長は15日の記者会見で、地政学リスクを考えると「1ドル=100円までの円高はあり得る」との見解を示し、1ドル=100円でも収益が出せる体制作りが大事だと述べた。
林田社長は、為替について「日米金利差から言えば110円を超えて円安になってもよいが、そうならない。地政学的リスクもあり、円高は十分あり得る」と述べた。
地政学リスクとして、北朝鮮関連のリスクが後退したことは良いこととする一方で、「日本経済にとってのリスクはトランプ・リスク」と指摘した。「日本に直接のダメージはないが、中国やその他の国が報復的な保護主義を始めると世界経済のスローダウンにつながる」と懸念を示したほか、中東のリスクも高まっているとした。
米国による鉄鋼の輸入制限については「大きな影響は出ていない」と述べた。付加価値の高い製品に対しては、注文が入ってきているという。ただ、米国でこうした製品を調達している企業にとってはコスト高となるだけに、「そのうち、日本製の適用除外の声が出てくる。時間がかかるプロセスを経て、沈静化してくる」との見通しを示した。
*内容を追加しました。
清水律子