March 23, 2018 / 8:12 AM / a month ago

ブログ:ペンギンの楽園を守る南極への旅

Alexandre Meneghini

 3月20日、南極に地球最大の保護区をつくるというEUの提案を周知し支援するため、環境保護団体グリーンピースが企画した旅に参加した。写真は南極ダンコ島のペンギン。2月撮影(2018年 ロイター/Alexandre Meneghini)

[アークティック・サンライズ号 20日 ロイター] - 旅は南米チリ最南端の町、プンタ・アレーナスから始まった。

私たちは、同市に寄港していた環境保護団体グリーンピースの船「アークティック・サンライズ号」の船上で3日間を過ごし、装備を確認し、安全訓練を行った。私は早く南極に行きたくてうずうずしていた。

グリーンピースは、南極に地球最大の保護区をつくるという欧州連合(EU)の提案を周知し支援するため、この旅を企画した。この計画は、商業漁業から海洋生物を守る安全な避難場所をつくるのが狙いだ。

クーバービル島のペンギン。2月撮影(2018年 ロイター/Alexandre Meneghini)

計画には、気候変動や汚染、漁業が野生生物に与える影響を記録することも含まれている。グリーンピースは、写真や映像、南極の海底から採取したサンプル、微細なプラスチック粒子を含む表層水を集め、保護区設立の論拠づくりを支援した。

セルビック湾で泳ぐクジラ。2月撮影(2018年 ロイター/Alexandre Meneghini)

EUが提案している南極ウェッデル海の海洋保護区(MPA)は、クジラやアザラシ、ペンギンや数多くの魚たちの生息地となっている約180万平方キロメートルをカバーする計画だ。今年10月にオーストラリアで開催される「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)」の会議で検討される。

「南極は現在、南極条約によって保護されているが、周辺の海域については悪用の余地が残されている。二酸化炭素レベルの上昇や海洋の酸性化、プラスチックの混入など、すでに他の世界で起きているような問題にも直面している」と、今回の遠征旅行を指揮するグリーンピースのトム・フォアマン氏は言う。

「したがって、さまざまな点において、そのように非常に多様な種にとって不可欠なこうした場所を保護できる機会を絶対に逃してはならない」

オキアミ漁船。ハーフムーン・ベイで2月撮影(2018年 ロイター/Alexandre Meneghini)

主な懸念はオキアミ漁だとグリーンピースは指摘する。同団体は今月、ペンギンやクジラ、アザラシを含む南極に生息するほとんどの野生生物は、直接・間接的にオキアミに依存して生きているとする報告書を発表した。人間は、オキアミをオメガ3のサプリメントやペットフードに使用している。

「保護区計画の対象となっている南極の海域でオキアミ漁をしないよう、われわれは訴えている」と、グリーンピースの広報ルーク・マッシー氏は語った。

グリーンピースのアークティック・サンライズ号。ドレーク海峡で2月撮影(2018年 ロイター/Alexandre Meneghini)

アークティック・サンライズ号がようやく出航すると、大海原にいる感覚を自分がとても満喫していることに私は気づいた。自由や約束された未来といった気持ちに浸れる。新たな恋愛や仕事、訪れたことのない場所への旅行で得られるような感情だ。

車を追いかける犬のようなイルカたちにエスコートされ、チリのティエラ・デル・フエゴを周ってから、大学時代に地理の授業で習った場所へと私たちはたどり着いた。かの有名なドレーク海峡だ。南米の最南端沖で大西洋と太平洋が激しくぶつかり合う場所だ。

セルビック湾の氷山。2月撮影(2018年 ロイター/Alexandre Meneghini)

海峡は荒れる可能性があると知らされ、私たちはあらゆるものを縛り付けた。酔い止めの薬が配られ、船酔いに弱い人のためにトイレの明かりは付けっぱなしにされた。私は薬を飲まないことにした。

だが、それは間違いだった。

まるで遠心分離機の中にいるように感じた。海峡に入ってから最初の数時間が経過したころ、私は船橋に行ってキャプテンに、穏やかな海流に出るにはあと何時間くらいかかるか尋ねた。

「最大4日はかかる」とキャプテンは言った。彼は私たちが砕氷船に乗っていることを思い出させてくれた。頑丈に造られてはいるが、高速で滑らかに進むようには設計されていない。私の人生において、恐らく最も長い4日間だった。

アンドボード・ベイに向かうグリーンピースのボート。2月撮影(2018年 ロイター/Alexandre Meneghini)

南極半島に到着すると、海は再び穏やかで、たくさんの野生生物を発見することができた。一部の想像に反し、南極は多様な生物にあふれている。ペンギンや海鳥、さまざまな種のアザラシやクジラが常に目の前にいた。

私たちは、重さ約10キロのサバイバルスーツを着て、ゴムボートで岸に行ってみた。私は予備のカメラと望遠レンズ数本も持っていったため、すでに重いスーツがさらに重くなった。だが、そうする価値はあった。カメラの不調のせいで、ペンギンの群れの中で撮影するというまたとないシャッターチャンスを逃したくはなかった。

ネコ・ハーバーのペンギン。2月撮影(2018年 ロイター/Alexandre Meneghini)

ペンギンとの遭遇は素晴らしく、忘れられない思い出となった。ペンギンは私たち人間を捕食者とは見ず、こちらがあまり動かなければ、何時間も近くにいる。私が飼っている犬に並び、彼らは世界で最もかわいらしい生き物だと思う。岸に上がると通常、私は数時間ほど撮影した。そのたびに、自分が菓子屋にいる子どものように感じた。

ハーフムーン・ベイのアザラシ。2月撮影(2018年 ロイター/Alexandre Meneghini)

数日後、安全な飛行ができるほど天候が良くなり、私はヘリコプターでも半島に降り立った。半島への3度にわたる訪問中、かつて目にした中で最も壮大な光景に出会った。私の写真も、こうした場所を直接目にする体験には及ばない。

デセプション島のペンギン。2月撮影(2018年 ロイター/Alexandre Meneghini)

長期間の旅で明らかになったように、南極は文明からは遠くかけ離れている。しかし、人間の手が及んでいないわけではない。グリーンピースがここに来たのは、南極のぜい弱性を指摘するためだ。私の写真が南極の美しさの一端でも表現していることを願っている。

ペンギンの死骸。ダンコ島で2月撮影(2018年 ロイター/Alexandre Meneghini)

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