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16年度予算総額96.7兆円、総活躍実現へ不退転 バブル期並み税収を確保

[東京 24日 ロイター] - 政府は24日、一般会計総額96兆7218億円とする2016年度予算案を閣議決定した。今年6月の財政計画に沿って社会保障費の伸びを一時的な経費を除く実質5000億円に抑え、厳しい財政状況に配慮した。財源には、企業収益の改善でバブル期以降最大となる税収を充て、不足を補う新規国債の発行は7年ぶりの低水準となる。

 12月24日、政府は一般会計総額96兆7218億円とする2016年度予算案を閣議決定した。今年6月の財政計画に沿って社会保障費の伸びを一時的な経費を除く実質5000億円に抑え、厳しい財政状況に配慮した。写真は都内で6月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

今回の予算で、安倍内閣は幼児教育無償化を柱とする子育て支援や介護職員の待遇改善を進めたい考え。16年度予算案では、1億総活躍実現へ早急に対応すべき関連予算として2兆4000億円(国費ベース)を計上した。

首相は、「出生率1.8」「介護離職ゼロ」との目標を掲げ、総活躍社会の実現を目指しており、15年度の補正予算案3兆3213億円と併せ、来年1月の通常国会に提出する。

歳出では、来年5月の伊勢志摩サミットをにらみ、難民対策など世界的な問題に対処する政府開発援助(ODA)を17年ぶりに増額し、外交・防衛分野の予算配分を手厚くしたのも特徴だ。

ODA予算は5519億円と、無償資金協力の拡充を念頭に15年度より1.8%増やした。南西諸島の防衛強化や米軍再編事業を進める予算を盛り込んだ防衛費は4年連続で増やし、初めて5兆円超とした。

社会保障費は31兆9738億円とし、高齢化に伴う伸びを実質ベースで財政計画の目標以内に抑えた。2年に1度の診療報酬改定では、薬価引き下げで1000億円超の財源を確保したが、焦点だった診療報酬本体では、来夏の参院選をひかえ医師会との衝突を避け、逆に0.49%のプラス改定とした。

国債の利払いや償還に充てる国債費は23兆6121億円。日銀の異次元緩和で国債利回りが低位で推移している現状を踏まえ、利払い費を算出する前提となる長期金利を4年ぶりに引き下げ、16年度は1.6%と想定した。ただ、償還にかかる費用がかさみ国債費は減らない。

<国債減額、安倍政権発足から10兆円超>

歳入では、企業収益の改善で政府は物価上昇率を加味した名目成長率が16年度に3.1%程度になると見込み、柱となる税収を57兆6040億円と、バブル期の1991年度以来25年ぶりの高水準とした。

将来の金利上昇に備えた日銀の引当金拡充で国庫納付の減少すると想定し、税外収入としては4兆6858億円を計上。財源不足を補う新規国債は34兆4320億円と、当初予算ベースで3年連続で減額し、公債依存度は35.6%に改善する。

安倍内閣は12年12月の発足後、次年度予算の財源として年金特例公債2兆6110億円を含む45兆4620億円の国債発行を計上した。

企業業績の改善を追い風に税収が増え、新規国債の発行は、政権発足時からは10兆円超の減額となる。

16年度予算では、新規国債のうち、公共事業に充てる建設国債を6兆0500億円に増やす一方、赤字国債は28兆3820億円と、10年度以降続いた30兆円台の発行(予算ベース)からの脱却を図る。

建設国債は有効活用すれば経済成長につながる。しかし、赤字国債の発行は将来世代への借金のツケ回しに過ぎない。税収増の流れを本来の財政の姿に戻せるかが今後の課題となる。

山口貴也、梅川崇

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