[24日 ロイター] 米アップルAAPL.Oは24日、同社の最新スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)5」の販売台数が、21日の発売開始から3日間で500万台を超えたことを明らかにした。
昨年10月に発売された前機種「iPhone4S」の発売後最初の週末までの販売台数である400万台超を上回ったものの、事前の期待がそれ以上に高かったことや、部品供給の制約で生産が需要に追いついていないことなどから、アップル株は24日のナスダック市場で1.3%下落して取引を終えた。
アップルは、事前予約分の大半はすでに出荷されたものの、それでもなお多くの出荷が10月になる見通しだと明らかにした。
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「すべての顧客にiPhone5を届けるため、生産に全力を挙げている」と表明した。
「iPhone5」に対する市場の期待はかなり高く、一部のアナリストの間では、最初の週末までの販売台数が1000万台に達するとの見方もあった。
アナリストは、iPhone5の生産が需要に追いついていないとみている。
ベアード・エクイティ・リサーチのウィリアム・パワー氏は調査リポートで「供給面の制約がなければ、週末の販売はもっと増えていた可能性がある」と指摘。7─9月期の販売は800─1000万台に達するとの見通しを示した。
スターン・アギーのアナリスト、ショー・ウ氏は「この『失望を招く』数字はあまり懸念していない。短期的な期待が現実とならないのはよくあることだ」と述べ、iPhone全体の販売台数は7─9月期に2700万台、10─12月期には4650万台に達するとの見方を示した。
アップルは28日にさらに22カ国で「iPhone5」の発売を予定しているが、供給の制約が販売の圧迫要因となる可能性がある。
生産をめぐっては、アイフォーンの部品製造や組み立てを行っている富士康科技集団(フォックン・テクロノジー・グループ)が、24日未明に中国北部の太原工場の寮内で労働者の大規模な暴動が発生したため同工場を閉鎖した。再開のメドはたっていないという。同社は鴻海精密工業2317.TWの傘下企業。
ディスプレーの主要サプライヤーであるシャープ6753.Tも財務悪化に苦しんでおり、関係筋によると、「iPhone」向けディスプレーの生産が予定よりも遅れている。
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