[ワシントン/サンフランシスコ 11日 ロイター] 米連邦高等裁判所は11日、韓国サムスン電子005930.KSのスマートフォン(多機能携帯電話)「ギャラクシー・ネクサス」をめぐる販売差し止めの仮処分を破棄するとともに、カリフォルニア州連邦地裁に差し戻す判断を示した。
高裁は、特許が問題となっている技術を理由に消費者が同製品を購入したということを米アップルAAPL.Oは実証していないとした上で、地裁は裁量権を乱用したと指摘した。
アップルはコメントを拒否。サムスン電子からのコメントは今のところ得られていない。
アップルは8月、スマートフォンなどの特許侵害をめぐりカリフォルニア州連邦地裁でサムスンと争っていた訴訟で勝利。陪審団はアップルの一部の特許が侵害されたと判断し、10億5100万ドルの損害を認定した。
ネクサスはこの訴訟には含まれていなかったが、アップルが今年に入ってサムスンに対して起こした別の訴訟の対象になっている。
地裁のルーシー・コー判事は6月、アップルの検索機能に関する特許に基づき、ネクサスの販売差し止め仮処分を決定したが、高裁は正式な判断を下すまで販売差し止め仮処分の執行を延期していた。
検討された特許は、スマートフォンが複数のデータの保存場所を一度に検索できる機能に関する1件。
ネクサスはサムスンの製品の中で古くなってきており、高裁の判決がスマートフォン市場に大きな影響を与えることはないとみられる。
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