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コラム

コラム:ルーブル防衛に失敗、追い込まれたロシア

 12月16日、ロシア中央銀行がルーブル防衛に成功したのはたった2時間ほどだけだった。外貨の両替レートを映した電光掲示板、モスクワで撮影(2014年 ロイター/Maxim Zmeyev)

[ロンドン 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ロシア中央銀行がルーブル防衛に成功したのはたった2時間ほどだけだった。中銀は16日早朝に主要政策金利を10.5%から17%に緊急に引き上げて市場に衝撃を与え、いったんは前日約12%下落したルーブルが一段と安くなるのを食い止めた。しかしルーブルはすぐに下げ歩調に戻り最安値を更新。

それはあたかも中銀が何も手を打たなかったかのようだった。政策担当者にはこれでもう短期的に妥当性を持つ対応策はほとんどなくなった。さらにいえば、もはやロシアがウクライナとの対立に終止符を打って西側の制裁が解除されるか、原油価格が急反発しない限り、市場の動揺は静まらない。もちろんどちらのケースも早晩実現する公算は乏しい。

ルーブルの値崩れは、原油価格が1バレル=60ドル前後で推移すればロシアは来年深刻な景気後退に陥るとした中銀の見通しがきっかけだった。ロシア企業がなぜ、2016年半ばまでに必要な1380億ドル前後の債務支払いのためにドルを買いだめているのかは、石油収入の減少と制裁に起因する外貨調達手段の欠如が重なっているという現状がすべて説明している。個人の預金者は今年ルーブルが下落しても異例なほど平静さを維持してきたとはいえ、ここ数日は預金をドル建てに転換する動きが加速していて、中銀の緊急利上げへとつながった。

しかしこの中銀の利上げも「衝撃と畏怖」の効果がなかった以上、次の一手が問題になる。政策金利を下げればルーブルがもっと下落するのは必至だが、これほど高い借り入れコストは経済的な痛みを増幅させる。国内ではデフォルト(債務不履行)が増え、もともと脆弱な銀行システムに不良債権が積み上がる。

中銀としてはルーブルが底を打つまで様子を見る手もある。中銀は原油価格が60ドル近辺で安定すれば、通貨防衛のために積極的に為替介入すると示唆している。しかしこの仮定には大いなる疑問符がつく。北海ブレント先物は16日、3.5%下落して一時59ドルを割り込んだ。

ロシア政府の中からは、ルーブル安についてもっと劇的な政策対応を喜んで検討する動きが出てくるのは疑いない。例えば厳格な資本規制などだ。それはロシアを旧ソ連型の統制経済という暗黒の時代へ逆戻りさせるリスクがあり、プーチン大統領は再三にわたってそうした措置の導入を否定している。とはいえ、窮地に追い込まれ通貨パニックに直面している大統領はすぐに、もうほかに手段はないと痛感するかもしれない。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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