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コラム

コラム:インド利下げ、今年最初で最後ではない

[シンガポール 15日 ロイター BREAKINGVIEWS] - インド準備銀行(中央銀行)のラジャン総裁は、就任後初の利下げに踏み切った。投資家は、利下げは今年、これが最後ではないと見ている。

 1月15日、インド準備銀行(中央銀行)のラジャン総裁は、就任後初の利下げに踏み切った。投資家は、利下げは今年、これが最後ではないと見ている。写真は、インド準備銀行(中央銀行)のラジャン総裁、2014年撮影(2015年 ロイター/Danish Siddiqui)

25ベーシスポイント(bp)の利下げで、景気がすぐに回復するわけではない。総裁が声明で「金融政策スタンスを変える余地がある」と述べたことからすると、きょうの利下げは1回限りではないだろう。

エネルギー価格の下落が、大きな助けとなっている。インド中銀はインフレ率を2016年1月までに6%に押し下げることを目標にしているが、目標の達成はほぼ確実な情勢であり、インフレ率が再び高進する可能性は小さい。しかし、鉱工業生産は低調で、成長は依然さえない。政策金利のレポレートを8%に維持するのは、得策ではなかった。

ラジャン総裁は、インド中銀のインフレ抑制力への信頼感を取り戻した。ラジャン総裁が就任した2013年9月にはインフレ率は2ケタに達していたが、昨年12月の消費者物価は5%の上昇にとどまった。

ラジャン総裁の就任当時、インドは高インフレや、無軌道な歳出、大規模な経常赤字に苦しめられていた。ラジャン総裁は利上げで内需を抑制、インフレ抑制を図った。さらに政府に対しては、財政規律を厳格にすれば、金融政策面の見返りがあるとの明確なメッセージを送った。

これを受けて、政府は歳出を抑制、過剰な農家支援を止めた。その結果、高インフレの原因だった地方の賃金の伸びは、急速に鈍化した。

最後に、利下げによるインド金融市場へのリスクは、現時点では小さい。先進国の長期金利は低下している。2013年半ばの「緩和縮小騒ぎ」の際には、インドは大規模な資金流出に見舞われたが、米短期金利が今年、上昇したとしても、混乱が繰り返されることはないだろう。

借り入れコストが低下することで、インド企業は、一度断念したインフラプロジェクトを再開できる。銀行システムにとってもプラスだ。

ラジャン総裁はボールを政府側に投げた。投資家は、今後公表される連邦予算案に大胆な改革が盛り込まれることを期待しており、インド中銀からは追加利下げという形で一段の見返りがあると予想している。

●背景となるニュース

・インド準備銀行(中央銀行)は15日、2月3日の定例会合を待たずに緊急会合を開催。政策金利のレポレートを8.00%から25ベーシスポイント(bp)引き下げ7.75%にすることを決定した。

・インドの消費者物価は昨年12月、前年同月比5%上昇した。中銀のターゲット(2016年1月までに平均6%)を大幅に下回った。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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