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コラム

コラム:中国の成長を脅かす「労働市場のゾンビ」

 1月29日、中国は生産性の向上とさらなる経済成長を目標とするなら、労働市場の「ゾンビ」を放っておくのはナンセンスだ。写真は中国の国旗と建設現場。北京で2013年4月撮影(2015年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[北京 29日 ロイターBreakingviews] - 中国にとって雇用は最優先課題のはずだが、労働市場に関する統計は不完全で役に立たない。統計では4700万人前後の失業者がいることは分かっている。しかし、間違った場所で付加価値の低い労働に従事している数百万人の存在は無視されている。彼らは、中国の労働市場をさまようゾンビと言えそうだ。

同国では2014年、ネットベースで1070万人の新規雇用が創出された。大きな数字ではあるが、2010年に比べると20%以上も少ない。昨年は出稼ぎ労働者が新たに900万人生まれ、新卒者の数は700万人に上った。ただ経済成長が鈍化するに伴い、雇用創出のペースも鈍ってくる。昨年12月に企業利益は前年比8%減に落ち込んだが、職を求める人は次から次にやって来るだろう。HSBCは、非農業部門の雇用者は2020年までに年間1400万人のペースで増えると推計している。

失業は大きな問題ではない。しかし、仕事に対する不満は憂慮すべき問題かもしれない。中国最大の求人情報サイト「51jobs.com」JOBS.Oには、昨年9月末時点で7200万件の履歴書が掲載されていた。中国社会科学院の研究によると、大卒者の3分の1が卒業後も学業を続けているか、すぐには就職しないでいるという。同時に、都市部では労働争議の報告件数が急増している。

中国の労働市場に必要なのは、雇用の増加ではなく流動性だ。高学歴のエリート層が転職するのは難しいことではない。出稼ぎ労働者も比較的簡単に仕事を変えられるだろう。しかし、中間層では需要と供給が必ずしもマッチしているとは限らず、ある場所では働き口が足りない一方、別の場所では余っている。大学卒業後2カ月経っても仕事がない人の割合は、都市部では1割、地方部では3割に上る。一部の人は、手に入れられる仕事で我慢するだろうし、さもなければ家にいるだろう。公式統計に彼らのことは反映されない。

サービス部門の成長は中間層労働者の雇用の受け皿になるだろう。また、都市部と農村部の福祉格差をなくし、人口の移動を促進させる政策も雇用吸収力を高めることにつながるだろう。その政策は、富の分配を快く思わない都市部住民には不評を買うはずだ。しかし、そうでもしない限り、中国の労働市場はますますいびつな形となり、不満は強まるばかりだ。生産性の向上とさらなる経済成長を目標とするなら、労働市場のゾンビを放っておくのはナンセンスだ。

*筆者はロイターBreakingviewsのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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