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コラム

コラム:トランプ氏のツイッター永久停止、数字が示した影響力

[ニューヨーク 11日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領はSNS(ソーシャルネットワークサービス)にとって、トップクラスの「人気」を誇る個人たちがいかに「価値」あるものになり得るかを証明して見せた形だ。ツイッターは8日、トランプ氏の投稿が暴力をさらにあおる恐れがあるとして、同氏のアカウントを永久停止。たちまちツイッター社の時価総額が約10%目減りしたのだ。

 1月11日、トランプ米大統領はSNS(ソーシャルネットワークサービス)にとって、トップクラスの「人気」を誇る個人たちがいかに「価値」あるものになり得るかを証明して見せた形だ。8日、ワシントンで撮影(2021年 ロイター/Joshua Roberts/Illustration)

ただ、トランプ氏と同様にリアリティー番組から生まれた人気タレント、カイリー・ジェンナーさんがかつて写真共有アプリのスナップチャット上で起こした「お騒がせ事件」の顛末からも分かるように、SNSは決して1人の「インフルエンサー」に依存しているわけではない。

トランプ氏がツイッターの普及と同社の事業を大いに手助けしたのは間違いない。2016年以前からアクティブユーザーだったトランプ氏は、大統領の任期中、ずっとつぶやき続けた。その結果、同氏のアカウントのフォロワーは停止前の時点でおよそ8800万人に到達。ツイッターの昨年第3・四半期の1日当たりのアクティブユーザーは1億8700万人だった。両者は厳密には比較できないとはいえ、トランプ氏のフォロワー数がどれだけ多いかを物語っている。単に同氏の投稿を閲覧したり、書き込みをしたりしている人を含めれば、数はさらに増える。

もっともフォロワー数だけ見れば、歌手のジャスティン・ビーバーやケイティ・ペリー、リアーナといった人たちのように、もっと多い例はたくさんある。オバマ前大統領も一時は1億2800万人のフォロワーを抱えていた。それに、たとえ人気者たちを失ってもSNS企業は繁栄してきている。

18年初めごろ、カイリー・ジェンナーさんが「スナップチャットを開かなくなった人は他にもいる? 私だけかな。ああ、とても悲しい」とつぶやいたことで、スナップの時価総額は一時、15億ドル余りも目減りした。しかし、その後、同社はジェンナーさんよりも「持ちこたえ」られたことが判明している。時価総額はそれから現在までに3倍に膨れ上がっているのだ。

当然ながら16年半ばと比べれば、トランプ氏のアカウントを今停止してもツイッターの痛手は少ない。バーンスタインの見積もりでは、当時のツイッターの1日当たりアクティブユーザー数は1億人に届いていなかった。トランプ氏は間もなく大統領を退任するし、将来返り咲く可能性も低くなったように見える。最近はフェイスブックやストライプをはじめ、IT大手がこぞってトランプ氏と同氏陣営の投稿に制限を加えていた。ツイッターはそうした流れに乗った1社にすぎない。そしてトランプ在任の4年間にわたる大騒ぎの末に連邦議会議事堂占拠事件が起こり、多くのフォロワーが、不穏さを増すばかりの社会情勢にきっとうんざりしているだろう。

ツイッター株が10%安で踏みとどまり、その後ある程度持ち直したことは、SNS企業の評価が誰か1人の個性だけに依存しているわけではないという事実を示している。それでも各SNSが投稿ルールの厳格化を進めるのに当たっては、最大のインフルエンサーたちが持つ価値を換算してみるのも有益かもしれない。

●背景となるニュース

*ツイッターは8日、トランプ大統領のアカウントを永久に停止したと発表した。米連邦議会議事堂占拠事件を受け、トランプ氏が暴力をさらにあおる恐れがあるとの理由。ツイッターが国家元首にこうした措置を適用したのは初めて。

*ツイッターが問題視したのはトランプ氏の2件の投稿。1つ目は「私に投票してくれた750万人の偉大な愛国者たち(の)米国第一、米国を再び偉大な国にする(という言葉)は、遠い先まで偉大な声を届ける。彼らはどんな形でも不当に扱われたり、見下されたりすることは決してない」というもの。2つ目は、トランプ氏がバイデン次期大統領の就任式に出席しないと表明したつぶやきだ。

*ツイッターは先週、トランプ氏がもう1度、同社の規定に違反すればアカウントの永久停止につながると事前警告していた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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