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コラム

コラム:FRB幹部人事、銀行資本規制の強化現実味

[ワシントン 14日 ロイター BREAKINGVIEWS] - バイデン米大統領は、銀行資本規制の分野に波乱を呼び込んだかもしれない。バイデン氏は14日、連邦準備理事会(FRB)の銀行監督担当副議長にサラ・ブルーム・ラスキン氏を指名した。FRBはこれまで、銀行資本要件と温暖化問題を結びつけることを否定してきたが、ラスキン氏が銀行監督担当副議長になれば、資本規制にこの問題を取り込むのが目標となってもおかしくない。

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バイデン氏は、大統領によるFRB幹部指名という仕事で1つの大きな足跡を残そうとしている。108年に及ぶFRBの歴史上、最も多様性に富む首脳陣をそろえつつあるからだ。元FRB理事で財務副長官も務めたラスキン氏のほか、空席になっていた2つのFRB理事ポストには、ともに経済学者のリサ・クック氏とフィリップ・ジェファーソン氏を指名。就任すれば、ミシガン州立大学教授のクック氏はFRB理事として初の黒人女性、デービッドソン大学学術問題バイスプレジデントのジェファーソン氏も黒人男性でわずか4人目のFRB理事になる。

ラスキン氏は、銀行界と金融安定に気候変動がもたらすリスクについて強い意見を持っている。昨年9月に国際NPOの「プロジェクト・シンジケート」に寄稿した記事では、米国の規制当局が地球温暖化に取り組むために既存の政策手段をどう有効活用していくか、創意工夫の面で立ち後れていると批判した。また米当局は、安逸の状態から抜け出して早く行動しなければならないと訴えた。

FRBもこれらの問題で情報発信は拡大しており、その中心となっているのがブレイナード理事だ。バイデン氏は、そのブレイナード氏を副議長に指名している。しかしこれまで、FRBは銀行の資本要件を気候変動リスクと関連づけるのを拒んできた。FRBは来年、銀行により包括的な分析を要求するかもしれない。だがパウエル氏とブレイナード氏はそれぞれ11日と13日に上院が開いた指名公聴会(パウエル氏は議長再指名)で、銀行にもっと分厚い資本手当てを義務付けるのではなく、与信エクスポージャーが抱える気候変動リスクを彼らに理解してもらいたいと述べた。

2人の発言は、野党・共和党から指名承認反対の声が出にくいようにする狙いもあった。ただラスキン氏はもっとはっきりとした立場を打ち出してきた。例えば、温暖化関連のストレステスト(健全性審査)の青写真を提示しているイングランド銀行(英中央銀行)や欧州中央銀行(ECB)といった海外の規制当局を高く評価している。

つまりラスキン氏の場合、必然的に共和党の反対に直面するだろう。それでも上院は与野党勢力がちょうど半々に割れているだけに、同氏が指名承認を得られる可能性は十分残っている。

ラスキン氏が承認されれば、与党・民主党の左派が支持するクック氏とジェファーソン氏が「同志」になってくれるかもしれない。クック氏とジェファーソン氏の研究活動は人種間格差や貧困、労働市場の問題に重点が置かれているとはいえ、3人がFRBに加わるとウォール街にとって資本規制が強化される未来が訪れかねない。

●背景となるニュース

*バイデン米大統領は14日、連邦準備理事会(FRB)の銀行監督担当副議長にサラ・ブルーム・ラスキン氏を指名した。就任には上院の承認が必要で、任期は4年。ラスキン氏は元FRB理事で、財務副長官も務めた。

*バイデン氏は、空席となっていた2つのFRB理事ポストにはいずれも経済学者のリサ・クック氏とフィリップ・ジェファーソン氏を指名した。クック氏はミシガン州立大学教授、ジェファーソン氏はデービッドソン大学の学術問題担当バイスプレジデント。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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