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コラム

コラム:「スコットランド後」も消えないカタルーニャ独立問題

[26日 ロイター] - 今月18日のスコットランド独立投票では、反対派が勝利し、英国残留が決まった。いったんはビジネス界や金融アナリストの多くから「安堵のため息」が聞かれたが、約束された英国の統治システム改革が投資家の神経を再び逆なですることを警戒する声が出ている。

 9月26日、スコットランド独立が否決され「安堵のため息」が聞かれたが、スペイン北東部のカタルーニャ自治州で起きている独立運動は、衝突さえ引き起こす大きな脅威となりかねない。写真は17日撮影(2014年 ロイター/Albert Gea)

そうした懐疑的な見方は正しい。地域ナショナリズムの機運が収束したわけではない。

欧州では、フランス、イタリア、英国、オランダ、ギリシャ、スウェーデン、ハンガリー、フィンランドでナショナリズムの動きが注目を集めている。民主的運動や人種差別的な活動などさまざまだが、共通して言えるのは、移民や欧州連合(EU)、リベラルな政策に反対の姿勢を示していることだ。

なかでもスペイン北東部のカタルーニャ自治州で起きている独立運動は、衝突さえ引き起こす大きな脅威となりかねない。英国とは違い、スペイン政府はカタルーニャの分離・独立の可能性のみならず、その是非を問う住民投票をも認めず、真っ向から対決する構えを見せている。

カタルーニャ人でナショナリズムを専門とするロンドン大学クイーン・メアリーのモンセラ・ギベルナウ教授は、カタルーニャ自治州が現在置かれている立場は、同州自身が招いたことだと指摘する。「長い間、カタルーニャは自治拡大を求めてきたが、受け入れられなかった。そこで今度は独立を訴えるようになったが、その背後にいるのは自治拡大を求めてきた人たちがほとんどだ」と話す。

カタルーニャ自治州は、スペインからの分離・独立を問う住民投票を11月9日に実施するとしている。同州のマス首相は州都バルセロナで「スペイン政府が、カタルーニャの大多数が支持する政治的意思を法的枠組みを使って阻止できると考えているのなら、それは間違いだ。われわれは闘わねばならない」と述べた。

だが、スペイン政府が住民投票を実施させないために法に訴えるのは確実とみられる。すでに憲法裁判所は投票の実施に向けたカタルーニャ自治州の主権主張は「無効」との判断を下している。

カタルーニャはスペインで最も富裕な地域の1つで、今なおリセッション(景気後退)の影響に苦しむ同国から独立すれば、一段と豊かになれるとみている。スペイン経済は痛みを伴う改革を経て回復しつつあるが、失業率は25%を超えており(若年層は50%)、長期デフレに陥るリスクも高い。

スコットランドの独立派は長年、北海油田を完全に支配することでより豊かになれると考えていた。カタルーニャに油田はないが、強い経済がある。加えて、州都バルセロナは欧州でも有数の素晴らしい都市だ。

スペイン政府は、英国がスコットランド独立投票で経験したような綱渡りは避け、住民投票自体を阻止したい考えだ。前述のギベルナウ教授は、現在迫っている対立は、もしスペイン政府が権限移譲について実質的な議論を始めていれば回避できただろうと指摘する。

約750万人の人口を抱えるカタルーニャの独立は、スコットランド(同約530万人)のそれと同じくらい名案とは言えない。損害を与える分離・独立を避ける方法はある。英国はすでに約300年に及ぶ連合の再編に取り組み始めた。スペインもその後に続くべきだ。

最近の世論調査によれば、独立賛成は45%で多数を占めているものの、23%が自治という現状に満足しており、20%がスペインとの統合深化を支持していることが分かった。独立賛成派が全回答者の過半に届かないなか、カタルーニャ自治州と中央政府の交渉で、穏健な国家主義者たちが受け入れ可能な権限移譲という合意を生み出すことは可能だろう。

結局のところ、自治政府は統一を維持するための新たな方法を見つけ出す責任がある。欧州で最も強力な独立運動2つを率いるそれぞれの指導部が政治的にリベラルで穏健派であることは、対立の悪化を回避できる希望を与えてくれる。

スペインは2015年に民主化40年を迎える。1つの国として、このときを祝うべきなのだ。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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