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コラム

コラム:フェイスブックには新たなCEOが必要

フェイスブックは今、上場企業としての厳しい試練を初めて経験している。同社が26日発表した第2・四半期決算は、売上高こそ11億8000万ドルと市場予想を若干上回ったが、純損益は大幅な赤字となった。株価は時間外取引で急落し、株式時価総額は過去10週間で半分にまで減った。

7月27日、フェイスブックは今、上場企業としての厳しい試練を初めて経験している。スウェットパーカーを着た革新を主導するカリスマは必要だ。しかし、だからと言ってマーク・ザッカーバーグ(写真)をCEOにしておく必要はない。米アイダホ州で12日撮影(2012年 ロイター/Jim Urquhart)

新規株式公開(IPO)でフェイスブックの株主になった人たちにとって、これは悪夢のような状況だ。こうした株主の97%は個人投資家であり、機関投資家が株式の大半を所有する他の大手IT企業とは事情が違う。グーグルでは株式の68%、アップルでは67%を機関投資家が保有している。

このことは、フェイスブックの株式が一般大衆向けであることを意味する。そして、大衆にはヒーローが必要だ。

マーク・ザッカーバーグはヒーローではない。彼は最高経営責任者(CEO)の座から降りるべきだ。単に四半期の業績がひどかったからという理由だけではない。彼が本来の力を発揮できていないからだ。

フェイスブックには、スウェットパーカーを着た革新を主導するカリスマは必要だ。しかし、だからと言って彼をCEOにしておく必要はない。フェイスブックをビジネスとしてかじ取りできる人材はたくさんいる。ザッカーバーグは商品戦略に注力すべき人物であり、インベスター・リレーションズ(IR)に力を割くべきではない。

私は、フェイスブックの先行きに懸念を抱いていることを公言してきた。ソーシャルネットワークとして成功したほど、ビジネスでは成功できないと。ザッカーバーグ自身もほんの数日前、モバイル分野は、特に収益化するとなると難題だと認めている。スマートフォンやタブレット端末でフェイスブックを使うユーザーが増えている以上、それは大きな問題だ。

しかし、フェイスブックにとって根本的な問題は、われわれが彼らをどう見ているかだ。今現在、われわれはフェイスブックをサービスではなく、会社だと考えている。このジレンマを言い当てているコラムがあった。そこではこう書かれている。「ザッカーバーグは他のCEO同様、自社の株価をコントロールする力はほとんどないが、いったん上場してしまえば、一般大衆の関心は株価にしか行かなくなる。フェイスブックは世界を変えたかもしれないが、それは非上場企業としてだ。人々はもうそれには関心がない。彼らが気にかけるのは、一にも二にも株価だ」。

フェイスブックには、世の中を変える存在という評価を守るだけの革新を続けつつ、上場企業として投資家を満足させるという難題が立ちはだかる。

こうした二律背反とも言える状況をうまく切り抜けられる人もいるだろうが、実際にはかなり難しいことだ。革新精神も必要だが、もっと重要なのは、卓越した経営手腕や自信にあふれた態度、営業マインドだ。

ザッカーバーグがよく比較されるマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツは、長期にわたって経営のかじ取りをした後、CEOを退いてチーフ・ソフトウエア・アーキテクトになった。ツイッターでは、共同創業者のエバン・ウィリアムズがディック・コストロにCEO職をバトンタッチし、ウィリアムズは現在、商品戦略に注力している。

グーグルの共同創業者ラリー・ペイジも、一時期はエリック・シュミットにCEO職を任せていた。CEOに復帰したペイジは現在、ザッカーバーグ同様、広告事業以外をどう収益化させるかという難題に直面している。

株式時価総額で世界一となったアップルでさえ、共同創業者スティーブ・ジョブズが、後にカリスマ経営者と称賛されることにはなったが、いったんはアップルから追い出されている。

ザッカーバーグは、フェイスブックの支配株主であり、会長でもある。それ故、彼の黙認なしに会社が大きく動くことはいずれにしろない。そして、彼はまだ28歳であり、発明や再発明のための時間はたっぷりある。

実弾が飛び交う経営の一線を退き、研究室にいったん退却するには、今が絶好のタイミングではないだろうか。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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