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コラム

コラム:オバマ大統領のミャンマー訪問は「早まった報酬」

[香港 9日 ロイターBreakingviews] 今月に予定されているオバマ米大統領のミャンマー訪問は、改革をまだ半分しか成し遂げていない同国指導者に「早まった報酬」となるリスクがある。

11月9日、今月に予定されているオバマ米大統領のミャンマー訪問は、改革をまだ半分しか成し遂げていない同国指導者に「早まった報酬」となるリスクがある。写真はオバマ大統領(左)とミャンマーのテイン・セイン大統領。昨年11月撮影(2012年 ロイター/Jason Reed)

外交政策をアジア重視にシフトするオバマ大統領は、ミャンマーの最近の改革を正当に評価し、両国の関係正常化の大きな節目となるだろう。ただ、それが中国の新指導部の反感を買うことは確実であり、依然として改革が必要なミャンマーへの圧力を弱めることになる可能性がある。

現職の米大統領として初めてミャンマーを訪れるオバマ氏だが、同国の「レッドカーペット」を歩く海外首脳は同氏が初めてではない。クリントン米国務長官が1年前に訪れて以来、キャメロン英首相、韓国の李明博大統領、インドのシン首相がすでに訪問済みだ。

それでも、オバマ氏の訪問はミャンマーの歴史的変化にふさわしい。ミャンマーは半世紀に及んだ国際社会からの孤立から脱却するため、ノーベル平和賞受賞者のアウン・サン・スー・チー氏の自宅軟禁を解除したほか、政治犯の釈放やメディア検閲の廃止、民主選挙を実施してきた。

さらに、ミャンマーでは経済改革も広範に行われている。4月には固定相場制が廃止され、外国人投資家を呼び込むための新たな投資法も成立した。法律事務所のVDB Loiによると、外資受け入れに敏感ないくつかの業種を除き、100%外資のベンチャー企業の参入を最低資本金の規制なしに認めるという。

しかし、ミャンマーの改革はまだまだ道半ばで、難題が多く残されている。独立した司法機関がないことに加え、議席の4分の1は軍人枠に割り当てられ、民族間の対立も再燃している。農産物の輸出を促進するために農地改革も必要だ。

オバマ大統領とミャンマーのテイン・セイン大統領は、改革への道は後戻りできないとの意見では一致するだろう。またオバマ氏は、日本などがミャンマー進出で優位に立っていることにプレッシャーを感じているのかもしれない。米国政府は明らかに、拡大するアジアの同盟国の一角にミャンマーを加えたい考えだ。

一方、中国の新指導部にとっては、オバマ氏の訪問は望むところではない。中国はミャンマーをアフリカや中東に通じる裏玄関ととらえているからだ。ミャンマーの改革は、西側諸国による経済制裁を受けながらも進められてきた。改革の実行は、中国の独占状態から脱することも理由の一つだった。

米国による制裁は依然として存在しているものの、オバマ氏は停止する決断を下した。この段階でミャンマーを承認することは、オバマ氏には「むち」が多く残されるだけで、「あめ」はほぼゼロになることを意味する。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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