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コラム

コラム:米データ収集告発者の香港逃亡、中国に「頭痛の種」

6月10日、米国政府による秘密裏の情報収集をリークした元CIA職員のエドワード・スノーデン氏(写真)は、米国を窮地に追いやったかもしれないが、その一方で、中国も難しい立場に立たせた。写真は英紙ガーディアン提供(2013年 ロイター)

[香港 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 元CIA職員のエドワード・スノーデン氏は 米国政府による秘密裏の情報収集をリークしたことで米国を窮地に追いやったかもしれない。その一方で、香港に逃げ込んだことで、中国をも難しい立場に立たせた。

同氏のケースは、中国政府の対香港と対米の両政策が問われることになり、どう対応するかが注目される。

スノーデン氏が、民主主義国家よりも一党独裁国家の玄関先にいる方が安全だと感じているように見えるのは皮肉だ。同氏は香港を選んだことについて、英紙ガーディアンに「言論の自由があり、政治的に異議を唱える権利もあるため」だと語っている。ただ、中国の特別行政区である香港は、米国と犯罪人引き渡し条約を結んでいる。そのため、同氏が香港にとどまりたいのであれば、政治亡命者であることを首尾よく主張する必要がある。もしくは、中国政府の介入を望まなければならなくなる。

中国がスノーデン氏に関心を寄せていることは疑う余地がない。同氏のリークには、米国のサイバーセキュリティーに関する詳しい情報が含まれており、同氏に協力している記者らは、今後新たな情報が暴露される可能性を示唆している。今回のリークは、オバマ大統領と習近平国家主席による米中首脳会談の前日に明らかになったことで陰謀説もささやかれている。とはいえ、中国が引き渡しを拒否すれば、米国政府の反感を買うだろう。もしそうなれば、北京の米国大使館に駆け込んだ人権活動家の陳光誠氏のケースより大きな危機を引き起こしかねない。

また、引き渡しの拒否は、すでに本土からの介入に不信感を抱いている香港の活動家を怒らせることになる。加えて、中国政府には香港が安全な避難場所だと反体制派の活動家に思わせる意図はなく、最終的にスノーデン氏は米国行きの飛行機に乗せられることになるだろう。

しかし、中国はその結末を保証することはできない。スノーデン氏は香港の裁判所で強制送還に異議を申し立てることができ、その間世論の支持を集める時間に充てることも可能だ。同氏のケースが、香港の民主化運動を結集させることになれば、米国政府よりも中国政府の方が大きな悩みの種を抱えることになる。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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