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コラム

コラム:モバイル移行で進むIT業界の「創造的破壊」

[ニューヨーク 23日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 創造的破壊がハイテク産業を動かしている。過去に創造的破壊の恩恵を受けた大手が今はその影響に苦しむ。マイクロソフトMSFT.O、インテルINTC.O、グーグルGOOG.Oが発表した四半期決算はそろって失望を誘った。パソコン(PC)からモバイル端末への移行が問題の根源だ。

7月23日、創造的破壊がハイテク産業を動かしている。過去に創造的破壊の恩恵を受けた大手が今はその影響に苦しむ。写真はマイクロソフトのロゴ。ブカレストで3月撮影(2013年 ロイター/Bogdan Cristel)

しかし最も危うい立場にあるのはマイクロソフトで、18日の決算発表以来、時価総額が300億ドルも減少したのはこのためだ。

マイクロソフトが巨大会社に成長したのは、汎用コンピューターがマイクロコンピューターを超え、次いでPCがマイクロコンピューターに取って代わる流れの中だった。IBMIBM.Nなど一部の企業は事業の重点を移すことで流れから取り残されるのを回避できたが、ユニバック、コントロール・データといった古顔の多くはハイテクの歴史書における脚注へと沈んでしまった。

現在は、PCの勝ち組が築いた土台をモバイル端末が浸食している。基本ソフト(OS)「アンドロイド」が半分以上のスマートフォン(多機能携帯電話)に採用されているグーグルでさえ無縁ではない。第2・四半期に課金型広告のクリック件数は前年同期比20%以上の伸びを示したが、広告主がモバイル広告に多額を支払いたがらないため、1クリック当たりの課金単価は6%減少した。今のところ、掛け算の上ではグーグルにとって良い取引となっており、同社株が決算発表後の急落から概ね持ち直したのもこれで説明が付く。しかしユーザーがグーグルの検索エンジンを使わず、分野を絞ったアプリを直接利用するようになれば、長期的には脅威になる。

マイクロソフトとインテルにとって、審判の時はもっと近い。両社は未だに利益の大半をPCに頼っており、売上高はいずれも5四半期連続で減少して流れが反転する兆しは見えない。

インテルは世界最小で最も複雑な半導体チップの製造において依然強みを持つ。モバイル端末への食い込みに苦戦し続けるなら、自社の技術をライセンス化するか、他社からチップ製造を請け負えばよい。同社は既に2、3件の下請け契約を結んでいる。これは過去のような好調な利益を生み出さないかもしれないが、モバイル端末移行の時流に乗る態勢にはある。

スティーブ・バルマー氏率いるマイクロソフトの明るい将来を描くのはもっと難しい。PC販売の低迷が同社の2つのドル箱であるOS「ウィンドウズ」とソフトウエア「オフィス」をともに圧迫している。いずれも純営業利ざや60%を誇る部門だ。同社が最近行った組織再編により、これらのビジネスの業績を追跡しにくくなりそうなことは、多くを物語っているのかもしれない。一方、同社はタブレット端末「サーフェス」絡みで9億ドルの評価損を計上している。

モバイル端末事業への進出におけるマイクロソフトの苦戦ぶりは今後さらに深刻化しそうに見える。眼鏡型端末「グーグル・グラス」のような、さらに小規模な商品が出てきている。これらの商品があればユーザーがPCを、そして今は至る所にあるマイクロソフトのソフトを利用する理由は一段と少なくなるだろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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